平和の詩で不戦誓う/宮高3年 上原愛音さん
沖縄全戦没者追悼式で朗読
【那覇支社】2017年沖縄全戦没者追悼式(県主催)は23日、糸満市摩文仁の平和祈念公園で行われ、宮古高校3年の上原愛音(ねね)さん(17)が平和の詩として自作の「誓い~私達のおばあに寄せて」を朗読し、これまで感じてきたことに思いを込めて発表した。
上原さんは、翁長雄志知事の平和宣言の後に、緊張した面持ちで登壇した。そして、何度も書いて暗唱したという詩を参列者の顔を一人ひとり見ながら力強く伝えた。最後には、参列者約4900人から大きな拍手が沸き起こった。
式典後の取材に対し、上原さんは「無事に終わってほっとしている。最初は緊張したが、登壇した瞬間にリラックスできた。途中、みんなに見守られているような気持ちになった」と笑顔を見せ、朗読の出来栄えについては「自分の思いはすべて伝えられた。私の声が戦没者や世界中の人に届いてくれていれば嬉しい」と語った。
朗読した詩の中で、上原さんは戦没者や戦争体験者を「おばあ、おじい」と表現した。そして、「おばあ、大丈夫だよ。今日、私達も祈っている。おじい、大丈夫だよ。この島にはまた笑顔が咲き誇っている」と語ることで、戦没者に「安心して」という気持ちを伝えたという。詩の結びでは「誓おう。私達はこの澄んだ空を二度と黒く染めたりしない。誓おう。私達はこの美しい大地を二度と切り裂きはしない」と声高々に不戦を誓った。
上原さんは、第27回児童・生徒の平和メッセージ展「詩の部門」高校生の部で最優秀賞に選ばれ、今年の「平和の詩」朗読者となった。宮古から「平和の詩」朗読者が選ばれるのは、上原さんで5人目。