人口減対策に全力/多良間村長選
当選から一夜明け伊良皆氏/「村民全員で前進する」
【多良間】村長選挙で再選された現職の伊良皆光夫氏(62)は26日、報道各社のインタビューに応じ、当選から一夜明けての心境と決意を語った。2期目の村政運営に向け「人口減と過疎化対策が一番大事だ。農林水産業振興に伴う所得の向上で雇用、観光、住環境の整備を図っていく」と決意を語った。島を二分した選挙戦については「私は分け隔てない行政運営でしこりを解消する。島の発展のためには、村民全員で前進しなければならない」と力を込めた。
インタビューは、同村塩川にある伊良皆氏の自宅で行われた。午前8時、ベージュ色のかりゆしウェアを着た伊良皆氏は「おはようございます」と張りのある声で報道陣を迎え入れた。
昨夜はぐっすり眠ることができたと振り返り、「さわやかで気持ちのよい朝を迎えることができた」とすがすがしい表情で一夜明けての心境を語った。
起床後は晴れ渡った空を見上げ「2期目に向けて頑張るぞと自分自身に誓いを立てた」と話す。「支持者や村民の皆さんの期待に応えたい」と意欲的だった。
47票差をつけての当選には「想定内の結果」と冷静に受け止める。「私は日ごろから村民との交流、意見交換を大事にしてきた。その中で十分な手応えを感じていた。安心して戦うことができた」と語った。
2期目の村政運営に向けては「1期目でまいた種を収穫する」と息巻く。「人口減と過疎化対策が一番大事になる。産業振興、医療の充実、福祉の向上、さらにはUターン、Iターンの若者たちが住める住環境の整備をしっかり進めたいと考えている」と述べ、総合的な地域振興で人口減を食い止める考えを示した。
高齢者医療の充実も重要課題に挙げ、「人生最後の日まで、多良間で安心して暮らせるような環境をつくりたい。だからこそ医療の充実が必要だ」と話した。
選挙のたびに島が二分されることについては「私は1期目から分け隔てない行政運営を心掛けてきた。過去の選挙に比べると大きな亀裂はないとみている。同様に対応し、選挙で生じたしこりを解消する」と村民の団結に自信を見せた。
懸案の副村長人事は「議会の理解を得られるよう努力を続ける。また、議会の皆さんが理解しやすい人材を推薦する」と述べた。
最後に伊良皆氏は「自分でできることは自分で、地域のことは地域で、全体でやるべきことは行政が全面的にバックアップして実施していく。行政の力だけで地域は発展しない。村民全員の力で村の発展につなげていく」などと述べ、地域全体で豊かな村づくりに取り組む決意を語った。
25日施行の村長選挙は現職の伊良皆氏と前職の下地昌明氏で争われ、伊良皆氏が422票を獲得し、2期目の当選を果たした。