宮古島市 デイゴ97本を防除へ
県から事業移管/薬剤で害虫駆除
宮古島市は今年度から、デイゴの害虫「デイゴヒメコバチ」の防除に乗り出す。県から事業移管されたもので、薬剤を樹木に注入する方法で実施する。幹の直径が70㌢以上、97本が対象。市は「沖縄県の県花であり、観光客に南国をPRする上でも深紅の花を毎年咲かせるようにしたい」と話している。
デイゴはインド原産のマメ科の落葉樹。宮古では3月から5月にかけて花を咲かせる。
しかし、近年では花を咲かせない木が多く、枯れてしまった木も見られる。
原因は、外来種のデイゴヒメコバチ(体長1㍉~1・5㍉)で、国内では2005年に石垣島で初めて確認された。
県は「県花の復活」を目指して、2010年から毎年防除を実施してきたが、今年度からは各自治体に事業管轄を移す。
防除する木は、公園や学校、御嶽などに植えられているもので▽平良37本▽城辺26本▽下地13本▽上野11本▽伊良部10本-。
市によると、防除対象樹木の下地来間「雨乞い座」のデイゴは、樹齢100年と推定され、高さ約7㍍、幹は太いところで直径約1㍍。
また、市熱帯植物園の「デイゴ通り」には本が植えられているが、このうち5本が防除の対象となっている。
予算は324万円で、国・県が90%(292万円)、市は10%(32万円)をそれぞれ負担する。
防除方法は従来通り、デイゴの幹に穴を開け、特定の薬剤を注入する。
市みどり推進課の根間正三郎課長は「観光客から『植物園のデイゴはいつ咲くんですか?』と質問されるが、残念ながら満開になる木は2本程度。御嶽では多く見られ、また『満開になると大きな台風が来る』との言い伝えもあり、古くから住民生活と密着している。害虫防除だけでなく、管理面も含めて守っていきたい」と話した。
県は、新たな対策として、デイゴヒメコバチの天敵であるデイゴカタビロコバチを使った防除を計画。県内離島で、デイゴカタビロコバチを放し飼いして、環境へのリスクや効果を検証する予定だ。