学校給食費 徴収業務の移行検討/市教育課題協議会・市教委
「公金化」で対応へ/教諭の負担軽減図る
教育長と地区小中学校長会役員が、市の教育課題解決に向けて協議を行う「市教育課題協議会」(会長・乾邦夫市小学校校長会長)の2017年度第1回会合が28日、市役所城辺庁舎で行われた。この中で、給食費の徴収業務を学校ではなく、市および市教育委員会が行うことが要望された。市教委側もそれに理解示し、徴収方法の変更に向け今後、給食費を「公金化」するための作業の進めていくとしている。
現在、給食費については、保護者が学校に納めており、特に未納の保護者への納付督促は教職員の業務負担になっているとしている。
この指摘に対して、市教委側は「未納世帯に先生方が訪問して徴収するのは問題があるという気持ちは以前からあった。さらに、教師の長時間勤務の原因にもなっていて深刻な状態だと考えている。給食費の公金化は全国的な流れでもあり真剣に取り組んでいきたい」と話した。
市教委によると、徴収方法を変更するには「給食費」を公金化する必要があり、そのために解決すべき課題がある。
現在の給食費は、特別会計のように徴収した給食費で給食の食材を買う予算となっているが、これを市の一般会計の予算として組み入れる必要がある。
さらに、給食費を設定して保護者から徴収する行為になることから、条例化の必要があり議会の審議を通すことも必要だ。
仮に来年4月から実施するとなれば、市議会の9月定例会で予算措置をするか、遅くとも12月定例会では予算化の必要があるとしている。
そのほかの要望としては、特別支援教育支援員を必要とする児童生徒が年々増えていることを指摘し、担任や教科担任だけでの対応が難しいとし、同支援員の増員を求めた。
これに対して市教委側は現状について「募集をかけているがなかなか集まらない。賃金面の配慮もしているが確保できていない」と述べた。
さらに、支援員が必要にもかかわらず親の診断拒否や保護者の同意が得られない状況もあり、学校側からの申請で配置できるよう校長会側が求めたのに対し「教師が支援が必要なので付けるということにはならない。どうしても親の了解が必要で、それがハードルになっている。しかし、中には診断を受けていないが対応が困難な子供たちも存在していることも現実なので、今後検討していく必要がある」と話した。
同協議会では、今回要望された事項について市教委側は調査検討を行い、校長会側は今回の当局側回答を踏まえて、さらに要望事項を精査し、10月に行われる第2回協議会でさらに課題克服に向けた協議を行っていく。