議決後、準備整い次第提訴/訴訟で知事県議会で表明
辺野古移設工事の差し止め
【那覇支社】県議会6月定例会は28日、各会派の代表質問が始まった。政府が進める普天間飛行場の辺野古移設工事について翁長雄志知事は「本議会で議決が得られたら、準備が整い次第(工事を差し止める)訴えを提起し、県の正当性を主張していく」と表明し、国を提訴する方針を改めて示した。
翁長知事は、訴えを提起する理由について「漁業権を設定している漁場内で知事の許可無く岩礁破砕することは禁止されている。沖縄防衛局は、県の行政指導に応じず岩礁破砕を行うことが確実な状況だ。行政として無許可の行為を放置できない」と説明した。勝訴の可能性があるのかとの質問には、知事の明確な答弁はなかった。
埋め立て承認の撤回について翁長知事は、「法的な観点からの検討を丁寧に行った上で対応する必要がある。しっかり対応したい」と述べた。
先島地区への陸自配備については、謝花喜一郎知事公室長が「多くの離島を抱える本県で、緊急患者や災害救助・不発弾処理など県民の生命財産を守るために貢献している」と、自衛隊の役割を評価した上で「地元の理解を得られるよう、政府は丁寧な説明を行い住民生活の安全安心に配慮すべきだ」と従来と同様の見解を示した。
また、大浜浩志環境部長は、陸自の駐屯予定地が県環境影響評価条例の対象でないことを指摘した上で、「地元の理解を得るため、環境への配慮が必要と考える。沖縄防衛局に対して6月20日、自主的な環境影響評価の実施の意向と、評価を実施しない場合、地元の懸念事項についての調査の実施と結果の公表について照会した」と明らかにした。
内閣府が実施している離島活性化推進事業については川満誠一企画部長が「県の実施する事業と相乗効果を発揮し、さらなる離島地域の活性化が図れると期待している」と答弁した。
県内で建築単価が上昇していることについては、宮城理土木建築部長が「リゾートホテルや航空機格納庫などの大規模な建築物が増加した影響が大きい。引き続き適正な単価の設定に努める」と答えた。