車エビ養殖大幅減産/宮古島漁協総会
4320万円の赤字計上/専務理事に楚南氏就任へ
宮古島漁協(渡真利一夫組合長)は29日、通常総会を開いた。正・准組合員らが参加し、2016年度貸借対照表など全11議案を承認。自営事業の高野車エビ養殖場の車エビが魚病で大幅な減産になったことから経営は悪化し、4320万円の赤字を計上、累積赤字は6241万円に膨らんだ。定款の一部変更で、専務理事を新設し、新しい専務理事に現理事の楚南聡氏(61)=市西原=が来週にも就任する見通し。
冒頭、渡真利組合長は、今月20日に那覇市で開かれた県信用漁業共同組合連合会(信漁連)の代表理事会長に選任されたことについて報告し「宮古島漁協の常勤の代表理事組合長は非常勤となり、信漁連会長は常勤となる」と語った。その上で「非常勤の組合長になっても宮古島漁協の発展のために頑張る」と決意を示した。会長に就任した渡真利氏(63)の任期は3年。
松原清光・市農林水産部長は「昨シーズンでは、天候不良によりモズク養殖が全県的な不漁に見舞われたが、今シーズンは大きく盛り返して豊漁となった。また平良の大浦湾ではアーサの養殖が軌道に乗り、収穫量も10㌧に達するほか、高野地区では海ブドウの集出荷施設が供用開始するなど、今後、養殖業での伸びが期待できる話題がいくつかある」と述べ、パヤオ漁業や素潜り漁などの漁業にも期待を込めた。
定款の変更では「理事のうち1人以上は、常勤とする」「専務理事1人は理事会の議決により、理事のうちから選任する」の条項を新設した。
同漁協は、総会に先立って理事会を開き、新しい専務理事に楚南聡氏を選任した。承認された定款は県の許可を受けた日から効力を生じることになっている。許可が降りた日が定款の変更日とされ、その日に楚南氏は正式に専務理事に就任する予定。
特別決議の高野車エビ養殖場排水整備砂除去工事や伊良部島・下地入江作澪事業などに伴う岩礁破砕の同意及び漁場汚染防止協定の締結については承認された。
漁船保険中央会が、漁船「パナリ」の所有者、砂川敏明さんに無事故・無違反で感謝状を贈呈した。