「氷小惑星」の発見目指す/天体観測PJ
国立天文台など研究グループ
地球、海、生命の材料となった「氷小惑星」の初観測を目指す天体観測プロジェクト「オアシズ」が22日から宮古島でスタートしている。
この取り組みは、国立天文台、東北大学、東京大学および宇宙航空研究開発機構の研究者を中心とする研究グループが、宮古青少年の家の施設屋上に小型観測装置を設置し、断続的に観測を実施している。
28日も日が沈んだころから、天文台天文情報センターの有松亘特別客員研究員と新中善晴研究員が上空に望遠鏡を向けて、氷小惑星の観測を目指した。
有松さんによると、「氷小惑星」はすばる望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡を用いても観測は不可能だが、今回のユニークな手法を用いた「オアシズ」では観測が可能としている。
宮古を観測地に選んだ理由について、有松さんは「宮古は光害の影響が少ないのが理由で、天の川の一番星が多い場所を狙って観測している」と話した。
「オアシズ」の特徴は、氷小天体が明るい星の手前を横切った時に光の光量が変わる瞬間を動画で観測する手法を用いている。今回、観測が成功すれば世界初となる。
宮古島での観測は、8月上旬まで断続的に行われるほか、8月5日には高校生や天文学に関心のある中学生を対象にした「宮古島宇宙学校~宮古島から宇宙を探ろう~」を宮古青少年の家で開催する。
この宇宙学校開催に関する問い合わせは、メールがko.arimatsu@nao.ac.jp. 電話は0422・34・3795。