650万円の赤字決算/食肉センター株主総会
と畜減で業績振るわず
第3セクター宮古食肉センター(岡村幸男社長)は30日、JA宮古地区本部で第期定時株主総会を開いた。当期(2016年4月1日~17年3月31日)決算は651万円の赤字を計上し、累積の赤字額は5300万円に膨らんだ。豚、ヤギのと畜頭数減少や旧施設の解体に伴う補助金返還等が響いた。次期損益もマイナス収支を立てるなど厳しい経営が続く見通しだ。
同社の収入の二本柱となると畜、販売事業は、共に計画を下回った。と畜料は計画1273万円に対して実績1100万円にとどまった。豚、ヤギのと畜頭数の減少が計画未達の要因に挙げられる。
販売事業の豚、牛の枝肉販売やカット料収入は計画2360万円に対し実績は2180万円だった。
結果として売上高は3289万円だった。仕入れやと畜経費などの売上原価を差し引いた売上利益は89万円。これに販売費及び一般管理費などもろもろの経費を計上した当期の決算は651万円の赤字となった。
次期計画においても「豚とヤギのと畜料は、前年並みとみられる」(下地義次専務)とし、大きな増益は見込めないと予想。当期と同程度の赤字を出すマイナス収支を提案した。
岡村社長は「今回は赤字決算となり、次年度も施設管理費や運営コストの上昇などがあって厳しくなることが予測されている」と現状を報告。その上で「と畜の増大を図りながら収益を確保し、経営の改善に努めていきたい」と話した。
この日の株主総会では決算および17年度の事業計画や取締役の選任案件等を全会一致で承認した。
事業計画では▽と畜頭数の維持・増大▽豚の格付け頭数増▽1日当たりのと畜頭数の平準化▽豚、ヤギのカット収入増▽と畜廃棄物の処理、利用についての検討-を基本方針に掲げた。
宮古食肉センターは1982年に設立。所有株式数は10万株。主な株主は沖縄振興開発金融公庫、県農業協同組合、宮古島市、県食肉センターで、沖縄公庫が最多3万株を所有(所有割合30%)している。