市長賞に池間さん/みゃ~く方言大会
宮古フツでアズーアズ/高校生からお年寄りまで8人
宮古方言を語り継ぐ第24回「鳴りとぅゆん(鳴り響く)みゃ~く(宮古)方言大会」(主催・宮古島市文化協会)が1日、マティダ市民劇場で行われた。高校生からお年寄りまでの8人が出場し、各地のイントネーションを交えながらアズーアズ(味わい深い)宮古方言を披露。会場を笑いの渦に包み込んだ。審査の結果、「あまいどぅばらいどぅぷからす(笑って笑って楽しい)人生」と題し発表した池間安子さん(59)=平良鏡原出身=が最優秀賞となる市長賞に輝いた。
教育長賞(優秀賞)は狩俣榮吉さん(80)=平良下崎出身、文化協会長賞(優良賞)は砂川姫奈多さん(16)=平良東仲宗根出身=がそれぞれ受賞した。
市長賞を受賞した池間さんは、愛情込めて飼育した牛を競りに出すまでのエピソードを紹介。牛にも負けずに自分も化粧して臨んだことを話して笑わせた。バーキ(竹製のザル)や風車を小道具にしたり、「アガイー」などと語尾を伸ばして最大限の気持ちを表現したりして盛り上げた。
最後は高値で売れた牛に大喜びし「夫婦で牛を飼って幸せになろう」と呼び掛け、指笛を吹いて退場し盛大な拍手を受けた。
審査員長の宮国敏弘さん(北中校長)は講評で、「方言の意味をしっかりと伝えてほしい」「原稿をしっかりと覚えて」などと課題を挙げたが▽表現力が豊かになった▽地域の文化が掘り起こされた▽方言を継承すべき若い人が勇気を持って出演した▽地域色豊かだった-などを「良かった点」とした。
京都大学非常勤講師で宮古方言を研究しているフランス人のセリック・ケナンさんは、宮方言は味わいがあることや擬音や擬態語が多いと話し「世界に誇れる言語。継承していこう」と呼び掛けた。
冒頭、市文化協会の大城裕子会長は、「ここのスマフツも、あそこのスマフツも一番。みんなで宮古方言を大事に愛しく使っていこう」と方言であいさつ。最後は「タンディガータンディ(誠にありがとうございます)。トウ(終わり)」と締めくくった。
下地敏彦市長は「方言の魅力を存分に伝えていただき、会場いっぱいに感動と興奮の拍手を鳴り響かせてほしい」と祝辞を述べた。
結果は次の通り。(敬称略)
市長賞(最優秀賞)=池間安子▽教育長賞(優秀賞)=狩俣榮吉▽文化協会長賞(優良賞)=砂川姫奈多▽奨励賞=来間高子、狩俣貞光、瑞慶覧学、下地洋子、新里英斗