「国と県の対立あおる」/県議会一般質問
座喜味氏が県政批判
【那覇支社】県議会6月定例会で3日、宮古島市区選出の座喜味一幸氏が一般質問で登壇し、下地島空港の利活用や宮古空港の整備、県が提訴を予定している普天間基地の辺野古移設工事を差し止める訴訟などについて質問した。差し止め訴訟の準備を進める県政を、座喜味氏は「国と県の対立をあおるもの」と批判した。
差し止め訴訟については、謝花喜一郎知事公室長が「漁業権の設定されている漁場内で知事の許可なく岩礁破砕することは禁止されている。沖縄防衛局は県の行政指導に応じず、岩礁破砕を行うことが確実な状況だ。無許可の行為を放置することはできない」と、県の立場を説明した。敗訴した場合の責任についての質問には、「現時点で敗訴することを前提とした質問には回答を差し控えたい」と述べた。
座喜味氏は、差し止め訴訟について「最高裁は前知事の行った埋立承認は合法だと判断している。(県の)今回の問題提起は意味があいまいで、全国的に有り得ない国と県の対立をあおるものだ」と批判した。
下地島空港の利活用については、翁長雄志知事が「農業的利用ゾーンや観光リゾートゾーン、空港及び関連ゾーンなど七つのゾーンに区分する基本計画を策定している。観光リゾートゾーンなどでは、今後も利活用事業の募集選定を進める。宮古島市と連携を図りながら、今後も活用促進に取り組む」と答弁した。
宮古広域公園整備事業の進捗状況は、宮城理土木建築部長が「現在は基本設計と環境アセスに取り組んでいる。2019年度の事業着手を目指している。地域住民はもとより、観光客にも十分配慮して着実に計画を進めていきたい」答弁した。
宮古空港の整備拡充については、同じく宮城土木建築部長が「待合室については拡充工事が完了して混雑が緩和している。保安検査場は時間帯により混雑が生じているが、宮古空港ターミナル社と航空会社で対応策を協議中だ」と明らかにした。
このほか、税関や検疫などCIQ機能を宮古空港に設けるかについて宮城部長は、「宮古圏域における国際線は、下地島空港で受け入れる方針で、CIQ機能は同空港で整備したい」と答弁した。これに対して座喜味氏は「宮古空港を国際線が使いたいという話もある。離島の観光振興の観点からも(宮古空港での整備を)お願いしたい」と述べた。