総合庁舎 消防北側に決定/宮古島市
市長「宮古の中心」強調/9月議会に条例改正案提出
宮古島市総合庁舎建設事業計画で、下地敏彦市長は12日、建設地を市消防本部北側の国有地とする決定内容を公表した。市の中心に位置し、人口重心からの距離が近く、交通の利便性が良いこと等を選定理由に挙げた。市は9月議会に庁舎の位置変更を求める条例改正案を提出。同意が得られれば10月にも設計業務を委託する。2019年度には建設工事に着手、21年4月の開庁に向けて急ピッチで整備を進める方針だ。
新しい総合庁舎の建設をめぐっては、庁舎等建設委員会(下地義治委員長)が今月4日に消防本部北側を建設地とする審議結果を下地市長に答申していた。
下地市長は、この答申を踏まえて決断した。建設委員会の答申を「合理的な判断であった」とし、答申を尊重する考えを示した。
また、「今後の市の発展を考えると(宮古の)中心に位置する方が良い。全体で見た場合には交通利便性も良い。消防や警察との連携も取りやすい」などと複数のメリットを挙げた。
庁舎の位置変更という重大案件に伴う市民への説明責任については「議会、報道機関を通して必要な資料は公表したい。議会には図面等も提示しながら周知していく」と強調。想定される市民からの説明要求に対しては「いくらでも説明していきたい。要求があれば対応したい」と述べた。
概算で85億6000万円を見込んでいる建設費に関し、「充当率が95%の合併特例債のメリットを生かしたい」と述べ、特例債活用期限(20年度)内に事業を完了させ、市の負担を極力抑える考えを示した。
また、「特例債を活用することで市民の負担軽減が図れる。必要な施設をどのようにして造るかという視点を持ちたい」と述べ、庁舎移転に伴う市民の利便性の向上と質の高い行政サービスの展開を強調した。
今後は市議会の9月定例会が焦点となる。庁舎の位置変更に伴う条例改正案の審議が注目される。
議決されれば10月には設計業務を委託。土地取得の手続きも同時並行的に進める。建設工事には19年度当初に着手したい考え。翌20年度内に完成させ、21年4月に開庁する計画だ。