高波、うねりに注意を/水難事故防止推進協
気象台の松尾さん講演会
宮古島市水難事故防止推進協議会主催の2017年度気象講演会が13日、市中央公民館研修室で開かれた。宮古島地方気象台の松尾有希子さんが講師を務め「安全に海とつきあうために~気象要因での水難事故を防ぐには」をテーマに高波やうねりへの注意の必要性などを語った。
松尾さんは波には風によって発生する「風浪(ふうろう)」と、別の場所で発生した風浪から伝わってきた波の「うねり」があることを説明。うねりは風浪と比べ海水が上下する周期が長く、一つの波の水量が多いため、沖合では波が低く見えても水深の浅い海岸付近に近づくと急激に高波になる危険性を指摘した。
台風から発生するうねりは数千㌔先まで届くことがあり、台風接近前や通過後でもうねりによる急な高波の危険があることを紹介し、「波浪注意報が発表されていなくても海岸付近では急な高波に注意が必要。波予報の『うねりを伴う』は海岸付近の波浪注意報と捉えてほしい」と訴えた。
天気予報で伝えられる波の高さは、同じ場所でも時間により異なる波の高さのうち、高い方から3分の1の波高の平均値を使用していることを説明する松尾さん。そのため100波に1波(10~20分に1回)は予報より1・6倍高い波が、1000波に1波(2~3時間に1回)は2倍の高さの波が来ることがあるとして注意を呼び掛けた。
来場者たちは真剣な表情で松尾さんの話に聞き入っていた。