宮島小の再利用計画提案
今年4月から休校となっている宮島小学校の再利用計画について、施設利用共同事業体の花城周作代表と島尻、狩俣、大神の3自治会の会長らが19日、市役所城辺庁舎に宮國博教育長を訪ね学校施設の再利用に向けた事業計画案を提案するとともに、同計画を早期に進める上でも早めの廃校手続きを求めた。市教育委員会側もその求めに応じて、廃校に向けた作業を前倒しで進めていくとしている。
今回示された計画案は、島尻自治会と同共同事業体が継続可能な事業として島尻地域独自の「地域包括ケアシステム」を目指している。
具体的には、幼少のころから通い慣れた小学校で幼なじみや顔見知りの先輩、後輩と一緒に暮らす「場と機会」を提供するとしている。
示された案では、運動場がイベント広場に、体育館はスポーツ交流施設、教室は食堂や居酒屋、診療所、老人ホーム、デイサービスなどを検討している。
今回の計画書提案には、花城代表のほか、島尻自治会の宮良保会長、狩俣自治会の久貝正吉会長、大神自治会の久貝愛子会長と池間豊市議らが同席し、同計画推進に対する理解と協力を求めた。
同校は今年4月から休校となり、再び開校するには、複式学級の解消が条件で、再開は極めて厳しい状況となっている。
地元からの具体的提案を受けた宮國教育長は「この活用を自治会も了解し、地域住民が求めているのであれば、私たちは早めに文部省や県教育庁と調整し廃校の手続きを進めていくことになる。それを踏まえて、今回の提案内容について皆さんと話を進めていくことになる」と話した。
同校の休校期間について、当初市教育委員会は大神中学校の休校から廃校までの期間3年をめどとしていたが、今回の要望を受けて前倒しで作業を進めていくことになる。
宮國教育長は「今回、皆さんから具体的な内容の利活用案が出てきたので、私たちとしてもしっかり対応していきたい。施設としてはかなり大きな規模なので、しっかり計画を立てて、地域の皆さんの応援も得ながら進めてほしい」と話した。
同小学校は今年3月、児童6人のうち、卒業する6年生3人を除く3人の児童の保護者から、転校を希望する申請書が提出されたことを受けて4月以降は休校となっていた。
宮島小は1959年、平良教育区立狩俣小学校宮島分校として児童数人、教員2人体制で開校。71年に平良市立宮島小学校として独立した。今回の3人を含め、2016年度までに403人の卒業生を輩出している。