耕作放棄地は256㌶/宮古地区
県が16年調査発表/県内最小面積を維持
【那覇支社】県農林水産部が18日発表した2016年荒廃農地(耕作放棄地)面積の調査結果で、宮古地区は前年比49㌶(16%)減の256㌶となり、県内での最小面積を維持した。
同部によると、宮古島市は県内外各2カ所で不在地主説明会を開き、意識啓発に取り組んできた。その結果、耕作放棄地13㌶を解消した。また、耕作放棄地再生利用交付金を活用することで農地に再生された面積も20㌃となった。
県全体の耕作放棄地面積は、前年比291㌶(9・7%)増の3279㌶だった。農業振興地域農用地区域外にある農地などへ調査範囲を広げていることで、新たに805㌶の耕作放棄地を確認した。一方、耕作放棄地から農地に再生された面積が同47㌶(10%)増の513㌶となり、09年の調査開始以来で過去最大となった。
耕作放棄地面積を地区別で見ると、本島北部が前年比216㌶増の1230㌶、中部が同53㌶減の651㌶、南部が同21㌶増の398㌶、八重山が同156㌶増の744㌶となった。
県は荒廃農地の解消に向けた課題について▽農地所有者の資産保有意識が強く、相続した農地を売ったり貸したりするのを嫌がる▽不在地主が多く、所有者の所在不明や未相続など権利者調整が複雑▽荒廃農地の多くが小面積で分散しており、傾斜地や排水不良など圃場条件が悪い-を挙げた。
今後の対応策として、同部の仲宗根智農政経済課長は「交付金の活用による荒廃農地の再生利用を促進するとともに、農業委員会などと連携して農地中間管理機構を通じた担い手への集積に引き続き取り組みたい」とコメントした。