「信頼を損ねた」/教諭の体罰で教育長謝罪
市内小学校の50代男性教諭が高学年の男子児童に体罰を与えた問題で、宮國博教育長が20日、報道各社を集めて謝罪した。教諭の勘違いで罪のない児童が体罰を受けていたことも明らかにした。被害児童は、腹部やほおに打撲、唇に裂傷を負ったという。宮國教育長は「暴力行為が発生したことに対し、児童及び保護者に深くおわびする」と頭を下げ、再発防止と信頼回復に努める考えを示した。
市教委によると、教諭は今月10日、自ら担任を務める3学年の教室に被害児童を呼び出し、多くの児童の目の前で腹部を蹴り、数回ほおを平手打ちにした。
体罰の理由は、部活の用具の後片付けをめぐる対応とみられるが、被害児童は無関係であったことが判明しており、教諭は自身の勘違いで暴行に及んだ。児童は病院で5日間の加療を要する診断を受けている。
教諭は思い込み、勘違いで暴行に及んだことを認めているといい、「被害児童や保護者には計り知れない肉体的、精神的苦痛を与えてしまった。謝ってすむことではないかもしれませんが心よりおわびを申し上げます。体罰を見ていた児童やそれを伝え聞いた保護者の皆さまに不安や不信感を与えてしまい、本当に申し訳ありません」という書面を提出しているという。
市教委は20日に臨時会を開いて対応を協議した。教諭に対し「厳重注意」を行うことと、県教育委員会に内申書を送付することなどを決めた。教諭の身分が県職員であるため、最終的な処分は県が下す。
宮國教育長は「被害児童及びその保護者、学校関係者と市民にご迷惑を掛け、信頼を損ねたことを深くおわびする」と述べた。その上で「今後は引き続き児童および保護者のケアを優先するとともに、再発の防止に努めたい」と強調した。
市教委は、同校児童をケアするため、要望に応じてスクールカウンセラーや教育相談員を派遣することを決めている。今後は臨時の校長会や教頭会を開き、学校現場に対して体罰禁止と法令順守を徹底させる。