宮古はJTAドームなど活用/県、沖縄MICE振興戦略発表
【那覇支社】県文化観光スポーツ部は21日、2017年度から10年間の沖縄MICE(国際会議や展示会・見本市など)振興戦略を発表した。県がMICEによる地域振興について長期的な構想を策定するのは初めてで、宮古地区ではJTAドーム宮古島やマティダ市民劇場などを活用し、国内大手企業や外資系企業の研修・会議や報奨旅行のほか、離島の特徴を生かした学術系会議の誘致を目指すとした。
振興戦略では、離島を含めた県全体の成長基盤としてMICEを位置付け、国際的な地位確立を目指す。成果目標として、MICE開催による主催者や参加者の消費など、直接的な経済効果を21年に413億円、26年に722億円としたほか、経済波及効果は21年に506億円、26年に889億円と設定した。規模の大きな千人以上の催事件数は、21年に134件、26年に231件と見込んだ。
県全体としてMICEによる振興を目指すため、ホテルや観光施設、自然環境といった地域特性を踏まえ沖縄本島北部、中部、南部、東海岸、宮古・八重山の5エリアを設定。各地域の特性に応じた振興を図るとともに、地域間の連携を通して県全体で受け入れ体制を構築する。
宮古島市については、離島ならではの特徴を生かした学術会議の誘致や開催も期待できるとした。風力発電など再生可能エネルギーを先駆的に導入して県内唯一の「環境モデル都市」に選ばれているほか、サンゴ礁をはじめとする生物多様性や再生可能エネルギー開発の学術研究フィールドとして選ばれていることなどが理由で、このほか離島を周遊する旅行プログラムも想定している。