工事の差し止め求め提訴/沖縄県
名護市辺野古移設めぐり/国と法廷闘争再び
【那覇支社】米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設をめぐり、県は24日、沖縄防衛局が県の岩礁破砕許可を得ずに工事を進めるのは違法だとして、国を相手に差し止め訴訟を那覇地裁へ提起した。併せて、裁判の判決が出るまでの工事を止める仮処分も申し立てた。
翁長雄志知事は同日午後5時から県庁で記者会見し、提訴の理由について「工事を行っている海域には漁業権が設定されており、行政として無許可の行為を放置出来ない」と説明した。一方で、この訴訟は辺野古への基地移設の是非そのものを問うものではないとの認識を示し「県民の思いを置き去りにしたまま建設に突き進む国の姿勢が改めて問われるもの」という考えを示した。
提訴の時期については、「3月末に岩礁破砕許可が期限切れとなり、4月25日に護岸工事に着手した時点で岩礁破砕は予測できたが、水産庁と協議や問い合わせ等をしていたことと、議会の承認も必要だった」と説明した。
埋め立て承認の「撤回」時期については「今後の(国の)動きを注視しながら、沖縄県の将来を考えて判断したい」と明言を避けた。
一方で国は、地元漁協が漁業権を放棄していることから県の岩礁破砕許可を得る必要はないと主張しており、今後も工事を続ける方針。また、仮に工事が止まった場合、翁長知事に対する損害賠償請求も視野に入れており、国と県の対立は再び泥沼化する見通しだ。