亀濱さん、10年連続3冠/沖縄マスターズ陸上
91歳、400㍍は大会新/偉業達成に「最高」
マスターズ陸上90(90~94歳)クラスで3種目の世界記録を持つ宮古島市の亀濱敏夫さん(91)がこのほど、沖縄選手権で10年連続3冠の偉業を達成した。100㍍、200㍍、400㍍で快勝し、400㍍は1分40秒50の大会新記録をマークした。10年連続3冠に亀濱さんは「自分自身では最高だね」とにこり。「けがもなく、元気な限りは続けるよ」と話し、衰えを知らない向上心を見せた。
亀濱さんは2015年の夏、日本マスターズ陸上岐阜大会で400㍍を1分34秒83、800㍍を3分39秒07、1500㍍を7分37秒08で走って優勝。いずれも世界新記録だった。
今年の沖縄選手権でもその強さは健在だった。100㍍は20秒23、200㍍は43秒36で優勝。大会記録を塗り替えた400㍍と合わせて3種目を制覇し、年連続3冠を飾った。
レースを振り返り亀濱さんは「やっぱり年とともに記録が落ちるね。1年で2秒も落ちてしまったよ」と少し悔しそうに話した。それでも「勝ち負けは関係なくて、こうして参加できるだけでも楽しい。10年連続3冠というのは自分自身では最高だね」と笑った。
次々と快挙を打ち立てる亀濱さんの強さと速さの秘訣は「毎日しっかり体を動かすこと」だという。
1日2時間は走ったり歩いたりを繰り返す。伊良部大橋を往復することもあれば、陸上競技場や周辺の遊歩道をひたすら周回することも。「体を動かさない日はないね」と胸を張った。
食事は、朝と昼をしっかり食べ、夜は炭水化物を取らない。その代わり生野菜をたっぷり食べる。少しだけお酒をたしなむことも日課だ。「もう何年もそんな食生活を続けているよ」と話し、日々の運動で日焼けした顔の表情を緩めた。
10月には和歌山で開催される日本マスターズに出場する予定だ。「いつもと同じように運動して、いつもと同じように大会を楽しむだけ」と亀濱さん。大会に出るたびに周囲の人々を驚かせる「世界のおじい」の挑戦は、まだまだ続く。