平良港の物流機能、拡充へ/基本方向案など確認
旅客船対応も柱に/長期構想検討委
平良港の中長期的な利活用の方向性を決める長期構想検討委員会の第3回会合が2日午後、平良港ターミナルビルで開かれ、基本方向案などを確認した。物流および旅客船機能の拡充ほか、防災・災害に対処できる港づくりを推し進めていく方向性を共有した。次回12月に開く最終第4回会合で正式に取りまとめる。この間に、市民アンケートを実施することも決めた。
委員会は大学教授ほか関係企業、経済団体、行政機関の代表らで構成。委員長は日本港湾協会の須野原豊理事長が務めている。
第3回委員会では、事務局提出の基本方向案と主要施策の展開方向案について意見を交わした。
第2回委員会の意見を踏まえた基本方向案は▽圏域の生活や産業を支える物流機能の拡充▽大型クルーズ船に対応する旅客船機能の拡充▽圏域の防災、災害に対処する機能の拡充▽エネルギー需要への対応▽観光レクリエーション機能、親水空間機能の拡充▽領海警備体制への支援▽作業船だまり、作業ヤードの移転-などが盛り込まれている。
物流関係では、漲水地区再編事業による物流コストの低減ほか、貨物船の大型化に対応した岸壁の増深整備等を図る方針だ。
旅客船においては、東アジアにおけるクルーズ寄港地としての地位の確立などを掲げている。
防災、災害への備えも充実させる。大規模地震、津波等を想定して継続的な対策を講じるほか、危険物施設用地の高台移転の検討なども施策案に上がった。
エネルギー需要への対応では、圏域のエネルギー供給拠点としての機能を果たしていくほか、港湾施設使用電力の再生可能エネルギー比率を高めていく方向性を全体で共有した。
この日の委員会は冒頭のみ公開された。主催者を代表して宮古島市港湾課の伊計盛之課長が「平良港の将来を見据えた構想に仕上げていきたい」と述べ、参加委員の協力を求めた。