北方領土の取材体験語る/地区豆記者13人が報告会
第56次沖縄県豆記者交歓事業で東京・北方領土・北海道の取材を終えたことを踏まえ、宮古地区豆記者交歓会(本村幸雄会長)は12日、市中央公民館で報告会を開いた。宮古から派遣された取材班13人が、五感で体感したことを堂々と発表し、「将来は社会に貢献したい」など大きな夢を語った。学校の教員や保護者らは一回り成長した子供たちに大きな拍手を送った。
本村会長は「子供たちの教育に離島というハンディがあってはならない。次代を担う子供たちに教育環境を整備していく責務がある」などと述べた。
その上で、豆記者の生みの親である末次一郎の言葉を引用し、子供たちに「百聞は一見に如(し)かず。百聞は一考に如かず、百考は一行にしかず」と言葉を贈った。
長濱琉輝君(南小5年)は「北方領土の取材を通して戦争によってもたらされた悲しみが多く残っていることを感じた」と語った。
下地優花さん(上野小5年)は「一日も早く北方領土が返還され、一緒に住めることが叶ってほしいと思った」と話した。
野原苑佳さん(平良第一小6年)は「北方領土返還のためにできることはある。それは私たち若い世代が北方領土問題を理解し、学んだことをいろんな人に伝え、北海道の人たちの苦しみを分かち合える輪を広げていくこと」と強調した。
同事業は、県内の豆記者が取材活動や交流活動などの体験を通し、社会に対する視野を広げ、思いやりのある心豊かな児童生徒を育てることを目的に実施。期間は7月31日から8月5日まで。
東京では安倍晋三首相が面会し「皆さんは、自分の生まれ育った町に誇りを持って、自分たちの町はこんなに素晴らしい町ですよということを伝えてもらいたい」と激励したという。
北海道では根室市内の中学生との交流、納沙布(のさっぷ)岬からの北方領土の見学などを実施した。