シュノーケル中の事故多発/宮古島の海岸
観光客の女性が溺れ重体/海保「ライフジャケット着用を」
14日午後4時35分ごろ、下地の前浜ビーチで、観光客の女性がうつ伏せの状態で海面に浮いているのを、一緒にシュノーケリングをしていた友人が見つけた。女性はすぐに病院に運ばれたが意識不明の重体となっている。宮古島の海岸では、7月から8月に掛けて、海で流されたり溺れるなどの事故が計5件発生。いずれも観光客で、このうち1人が亡くなっている。シュノーケリング中の事故が多く、宮古島海上保安部では「必ずライフジャケットを着用し、2人でバディを組んで海に入ってほしい」と注意を促している。
警察などによると、意識不明となっているのは三重県の会社員の女性(27)。
女性は友人の男性と一緒に砂浜から10㍍付近でシュノーケリングをしていたが、男性と離れて沖に向かった。
このため、男性は砂浜に戻り、浮き輪で助けようとしたが女性は砂浜から約5㍍の海面にうつ伏せの状態で浮いていたという。
男性は女性を海から引き上げ、近くにいたビーチスタッフに救助を求めた。宮古島署などが事故原因を調べている。
宮古島では7月29日に、伊良部島の海域で、静岡県からダイビングに来ていた男性(65)=が海中で意識不明の状態で発見され、その後、病院で死亡が確認された。
この日は、城辺友利のインギャーマリンガーデンでも、東京からシュノーケリングに来ていた父親(代)と息子(11)が波に流され、別の遊泳中の人に助けられた。
今月7日には、砂山ビーチ沖合いで、埼玉県から家族と観光に来ていた男性(41)がシュノーケリング中に海水を飲みおぼれかけた。
宮古島海上保安部によると、今年のマリンレジャーに伴う事故者数は10人で、昨年の同時期に比べ1人増えている。
観光客と見られる人のシュノーケリング中の事故が多く、海保では「経験が浅く、ライフジャケットを着用しない人が多い」と指摘。シュノーケルは手軽に購入できることから、知識のないまま使用する人が増えているという。
「シュノーケルを使えば、通常通りの呼吸ができると思い込んでいることから、突然、海水を飲み込むとパニック状態に陥り、溺れるケースがある」と強調。「あごを上げ、シュノーケルの先端を水面から常に出るようにして泳ぐ基本的な使用方法を身に付けてほしい」と呼び掛けている。