農業用水、適正利用を/市、土地改良区
地下ダム水位が低下/夜間断水の実施も検討
少雨の影響でスプリンクラー等がフル稼働し、地下ダムの水位がみるみる低下している。宮古土地改良区がまとめた16日現在の貯水率は砂川ダム61・79%、福里ダム81・34%。畑地への散水が急激に伸びて貯水量が減少している。市と土地改良区は17日の会見で適正利用を呼び掛けた。散水の先延ばしや散水曜日の厳守を求めており、計画水量を超えた地区については夜間断水を実施する方針だ。
土地改良区によると、今年度の散水可能面積は約4900㌶で、1日計画使用水量(適正量)は約19万7000㌧となっている。
だが、少雨傾向が続いている影響でスプリンクラーなどのかんがい施設が各地でフル稼働し、1日最高で24万2000㌧を使用、計画使用水量を4万5000㌧も上回っている。
一部農家の使用マナーも低下している。水の使用時間は午前6時から午後10時だが、午後10時以降に散水する農家がいるほか、散水の曜日や回数を守らない農家もいるという。
これらの要因が重なって地下ダムの貯水量は日増しに低下。福里ダムの一部の井戸では取水制限をかけざるを得ない状況にある。
市と土地改良区は17日の会見で、農家に対し①サトウキビに力のある圃場は散水を1週間先延ばしすること②その他の圃場は節水すること③散水曜日を守ること④同じ圃場の散水で複数のラインを一度に使用しないこと⑤スプリンクラーの角度調整、散水距離調整を行うこと-を呼び掛けた。
また、計画使用水量を超えた地区についてはファームポンドからの夜間の水の供給を停止する。午後5時から翌日午前9時(使用水量で変動)をめどに、予告なしで断水措置を取る。
夜間断水を実施し、改善が見られない地区については1週間給水を止める。
会見で市農林水産部の松原清光部長は「散水を先延ばしにするなど節水に協力してほしい」と話し、利用する農家に理解を求めた。
土地改良区の石嶺明男事務局長は「水がかかっているサトウキビの干ばつ被害は少ない」と水のかけ過ぎに注意を促し、「今後のハウス栽培等で十分な水が使用できるように大事に使ってほしい」と述べた。
宮古島地方は少雨傾向が続き、かんがい施設が整備されていない圃場の多くでサトウキビの葉のロール現象が見られる。一部では枯れている葉も見られ、被害の拡大が懸念されている。