観光客増への対応課題/官民連携を再確認
市と経済団体が意見交換
市の課題などについて行政と経済団体が意見を出し合い、解決に向けての取り組みを示す懇話会が18日、平良港ターミナルビルで開かれた。増加する観光客の受け入れ対策の強化や大型クルーズ船寄港に伴う周辺整備、農水産業の振興策などに官民一体で連携、協力していくことを再確認した。
市は観光客の受け入れ策として、宮古空港ターミナルの拡張整備を関係機関に早急に要請していくほか、平良港については「国際旅客拠点形成港湾」に指定されていることを強調。長期整備構想の中で、平良港周辺の歴史・文化遺産を活用した市民と観光客の交流空間の創生を図る計画が進められていることを紹介し、より良い街づくりへ議論を重ねていくとした。
また、各観光地などの公衆トイレや駐車場については、利用状況を把握した上で計画的な整備を実施する方針を示した。
そのほか、経済団体からは▽西里通りの整備事業(宮古島商工会議所)▽案内板や説明板、標識などの多言語化(宮古島観光協会)▽道幅の狭い通学道路の整備(宮古青年会議所)▽有害鳥獣被害対策(JAおきなわ宮古地区本部)▽モズク加工処理施設の整備(宮古島漁協)▽佐良浜漁港陸揚ウインチの整備(伊良部漁協)▽社会保険未加入対策(県建設業協宮古支部)-などの要望があった。
一方、市からは▽多言語人材育成及び多言語メニュー等の整備▽中心市街地活性化に向けた取り組み▽畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業▽女性の登用率拡大-など計6項目を要望。それぞれの団体から前向きな回答があった。
市からは下地敏彦市長、長濱政治副市長、宮國博教育長や部局長、課長ら31人、経済団体からは商工会議所、観光協会、青年会議所、JAおきなわ宮古地区本部、宮古島・伊良部漁協、県建設業協宮古支部の代表者ら20人が出席した。
冒頭あいさつした下地市長は、港や空港での整備計画が着々と進められていることを挙げ「今後、大幅な観光客が見込まれる」と強調。その上で「観光産業の活性化は他の産業及び雇用にも波及効果がある。キビやマンゴーなどの農産物も順調に推移している」と述べ、さらなる振興発展向け、互いに連携し取り組んでいくことが重要だと呼び掛けた。
宮古島商工会議所の下地義治会頭は「行政側と問題点を共有しながら市の発展に尽くしていきたい」と官民一体となった取り組みに期待した。