三菱地所、開業5カ月延期/下地島空港の利活用
「労働力不足」など理由に
下地島空港と周辺用地で「国際線等旅客施設整備・運営及びプライベート機受入事業」を展開する予定の三菱地所(本社・東京)は18日、当初予定の2018年10月開業を、5カ月延期の19年3月末に開業することを明らかにした。建築確認申請手続きに時間を要していることや、労働力不足などを理由に上げた。
同日行われた経済団体と宮古島市との懇話会の中で、同社新事業創造部長の坂口泰之氏と新事業創造部空港プロジェクト推進室統括の平野敦士氏が明らかにし「開業まで1年半あるが、皆さんの協力を得ないといけない事業」などと述べと理解を求めた。
同社は、旅客ターミナルビルを建設、運営して国際線、国内線の定期便が就航する空港を目指す。
宮古空港との関連については、宮古空港は現在の役割を継続、発展させていく圏域の「第1空港」として位置付け。下地島空港は現在、宮古空港に就航していないLCC(格安運賃航空会社)やプライベート機、国際線就航を受け入れる「第2空港」としての役目を担うという。
国際線については上海、香港などからの就航を目指す。平野氏は「特に香港からの就航に力を入れたい。香港は世界のハブ空港となっており、香港と結ぶということはヨーロッパからワンストップで宮古に来れることになる」と利便性を強調した。
国内線は成田、名古屋、関西、北九州からの直行便などを考えているという。
平野氏はまた、1日1便LCCが就航すれば年間約5万人が来島するとし、1路線当たりの観光消費額は年間約39億円になると試算。「路線を増やせば、経済効果は大きくなる」と話した。
同社は平良のトゥリバー地区のホテル用地を、所有する特定目的会社SCG15(東京都)と売買契約を締結している。
出席者から構想と下地島空港との関連性を質問された坂口氏は「トゥリバーはリゾートとして携わっていきたいという思いが強い。購入した以上、宮古圏域の中で役割を担いたい」と説明。「下地島空港は、国際便を視野に入れている。国際便の搭乗者に対応するホテル等を建設しないといけない。それがないと、外国から飛ばしてくれないので、トゥリバーとは非常にリンクしていると認識している」と話した。