温泉水でフグ養殖
栃木の野口さんが成功例/天然ガス事業で講演
天然ガス事業に関する講演会が24日、JTAドーム宮古島であった。栃木県で温泉水を使ってトラフグを養殖している「夢創造」代表の野口勝明さんがその成功例を報告。水産業関係者が宮古島における陸上養殖の可能性を探った。
講演は、市天然ガス資源利活用推進事業の一環。市の温泉資源の活用を考えることが狙いで、行政機関の職員や水産業に従事する複数の市民が参加した。
野口さんは、栃木県那珂川町の資源「温泉」を利用してトラフグの養殖を成功させた人物。全国各地でノウハウを伝えている。
講演では、研究開発から養殖、販売まで一連の流れを詳しく説明し、参加者の関心を誘っていた。
宮古島市の天然ガス試掘井「宮古R-1号井」から産出された温泉水によるトラフグ飼育試験の結果も報告し、「問題なく飼育できるレベルだ」とした。
陸上養殖については「生き物であるがゆえに365日気が抜けない。子育てと同様に見てくれる親が必要不可欠になる」と話し、管理の徹底を促した。
また、「補助金を受けて施設を造るのはいいが、補助金がなくなるとやめてしまう例が多い」と話し、養殖事業に取り組むに当たっては官民の慎重な対応が求められると説いた。
質疑で市企画政策部の友利克部長は「プレイヤー捜しを始めたい。技術の習得に時間はかかるが、市としては民間の意欲を応援していきたい」と話した。