白川田の湧水量減少/少雨傾向
7、8月で2000㌧減/市上下水道が節水呼び掛け
7月中旬から気温が高く、降水量の少ない状況が続いている宮古島地方。その影響が飲料水にも出始めている。白川田水源地の1日当たりの湧水量が7月の1万5000㌧台から減り続け、8月25日以降は1万2000㌧台で推移している。市上下水道部では「まだ、深刻な状況ではないが湧水量が1万㌧程度になれば市民に節水を呼び掛ける予定。今後もしばらくは少雨傾向が続く見通しなのでできるだけ節水を心掛けてほしい」と呼び掛けた。
宮古の飲料水は、白川田水源地からの湧水と、それを補うほかの水源地からの取水で提供されている。
同部によると、通常の白川田水源地からの1日当たりの湧水量は2万㌧前後。宮古地区の1日平均の使用量は2万4000~2万6000㌧で、不足分はほかの水源地からの取水で対応しているという。
飲料水の大部分を白川田水源地の湧水で対応する中、今年4月中旬から5月上旬にかけても同水源地の湧水量は1万㌧を割り込んだが、梅雨入りが控えており、まとまった雨が期待できることから同部では問題視していなかった。
しかし、梅雨期間中も期待したほどの雨量はなく、7月、8月とも少雨傾向となり、湧水量は減り続けてきている。
7月に1万5000㌧だった1日当たりの湧水量は、8月13日に1万3000㌧台に減り、同25日にはさらに減って1万2000㌧台となっている。
宮古島気象台は8月28日に長期間の高温と少雨に関する情報第3号を発表し「今後2週間程度は続く見込み」と予想している。
こうした状況からしばらくはまとまった雨が期待できず、湧水量はさらに減少することが予想されている。
同部の大嶺弘明部長は「数カ月の降水量だけでなく、ここ2、3年の少雨傾向が今の状況になっていると思う。現状はそこまで深刻ではないので市民に危機感を募らせることは避けたいが、自然が相手であり実際に今後も少雨傾向が続くのでできる限り節水を心掛けてほしい」と話した。
宮古では、1994年の1月15日~3月末まで夜間の制限給水(断水)が行われ、当時は期間中8時間、10時間、6時間の制限給水が実施された。
同部によると制限給水当時も雨量が少なく、前年の8月と11月に記者会見を開いて市民に節水を呼び掛けていたが、白川田の湧水量が1日5000㌧台となった段階で制限給水となっている。
今後の制限給水のタイミングについて大嶺部長は「当時は湧水量が5000㌧での実施となっているが、当時と現在とでは1日当たりの使用量も違うので、もしもの場合は今後の検討になると思う」と話した。