8月降雨 観測史上最低
城辺は平年比7%/気温は過去最高29・9度
宮古島の8月の降水量が43・5㍉(平良下里)と観測史上最低の降水量だったことが分かった。地区別に見ると、城辺が最も少なく16・5㍉。平年比7%と極端に少なかった。一方で平均気温は29・9度と過去最高を観測し、前年比0・6度も上昇した。晴れの日が多く、長期間の高温と降水量が少ない月を象徴する気象データとなった。
宮古島地方気象台によると、今年8月の降水量は1938年の統計開始以来の最低値を更新した。これまでは1971年の54・5㍉が最低値だった。100㍉を切ったのは2006年の85㍉以来11年ぶり。
降水量の観測地は5カ所あるが、いずれも観測史上最低だった。城辺の16・5㍉が最も少なく、平年値の243・5㍉と比較して7%しか降らなかった。
多良間仲筋も少なく、平年比8%の19・5㍉、平良鏡原は同比15%の39㍉、下地島は同比16%の41・5㍉といずれも少なかった。
統計開始年は城辺が1978年、ほか3地点は2003年に始めている。
最低値を更新した降水量とは逆に、平均気温は過去最高を記録した。8月の気温29・3度は98年以来2度目の最高値となった。
8月の宮古島地方は太平洋高気圧に覆われて晴れ間が広がり、気温がぐんぐん上昇した。その半面降水量は伸び悩み、生育旺盛期に入ったサトウキビに大きなダメージを与えている。
気象台はこの間、長期間の高温と少雨に関する情報を3度発表し、広く市民に農作物や水の管理に十分注意するよう呼び掛けた。
市やトラック組合は8月3日から、かんがい施設未整備の圃場を対象に大型トラックによるかん水作業を開始している。8月末までに3000台がかん水を済ませており、当初見込んだ予算を超過するほど長引いているのが現状だ。
9月に入り、局地的な雨は観測しているものの、島全体を潤す降水量には達していない。干ばつ被害の拡大が懸念される。