野そ被害、拡大か/池間島
わな使用し一斉防除へ/キビの食害相次ぐ
池間島で野そ被害の拡大が懸念されている。根元を食害されるサトウキビが相次いでいるという。この現状を踏まえ、8日には薬剤を使った一斉防除作業が行われる。島全体にわなも仕掛ける予定だ。官民連携の駆除作業が始まる。
宮古地区の野そ被害は池間島に集中している。昨年7月の調査では4・41%の被害を確認し、同年11月には5・92%に広がった。
島では、農家が自主的に駆除を行うなどして対策を講じているが、今夏も各地で食害が発生するなど思うように駆除効果が上がっていないのが現状だ。
島の原料員や製糖工場によると、被害が大きい圃場では食害を受けたサトウキビが次々と倒れている。主に糖熟が進んでいる収穫系が被害に遭っており、倒れたキビはやむなく夏植え用の苗として利用するために確保しているという。
被害の広がりを懸念する池間自治会が市に早期駆除を要請。これを受けて8日の一斉防除が決まった。
当日は島の農家と関係団体の職員が参加し、ヤソヂオンを広範囲にまく。人海戦術によるきめ細かな散布で野その一掃を図る。
一方で、かごに閉じ込めるわなも仕掛ける。わなは地区糖業振興会が200基を購入。農家に無償で貸し出して捕獲を試みる。
薬剤とわなを使う両面作戦で最大効果を狙う。
島の原料員は「被害は確実に広がっている。昨年の防除活動でいったん落ち着いたように見えたが、また増えている。雨が降らない上に野そ被害だ。反収がどれだけ確保できるのか心配している」と話した。一斉防除には「薬とわなを一緒にやれば駆除効果は大きいと思う」と期待した。
宮古島市は今年度から野そ対策として航空ヘリ防除を再開させる予定だ。池間島でのヘリ防除は、地上防除の成果を見ながら判断するものとみられる。
昨年11月の調査実施時における宮古全体の被害率は0・3%。池間島以外は1%を切る被害率だった。