市の借金400億円超え/宮古島市
公債比率は警戒ライン/初の決算委で悪化指摘
宮古島市の2016年度末現在の市債残高が400億円に達している。財政構造の弾力性の指標となる公債費負担比率は警戒ラインの15%。前年度と比較して0・6ポイント悪化した。市議会9月定例会は日、初の予算決算委員会を開いて16年度決算を審査。複数の議員が質問に立ち、将来の財政運営に懸念を示した。
予算決算委員会には全議員と市当局の部課長らが出席した。当局説明の後、質疑が行われた。
歳入予算では、國仲昌二氏が起(市)債残高について当局の考えを聞いた。
2015年度の県内11市起債残高(一般会計)比較表を独自で作成し、市民1人当たりの起債に置き換えた額を示した。宮古島市は1人当たり70万7000円となり、県内で最も額が大きいと指摘。宮古島市を除く10市平均額38万2000円も取り上げ、宮古島市の起債の大きさを強調した。
その上で國仲氏は、地方債の元利償還金に充てる公債費負担比率が上昇していることを懸念。「これから公共事業をしていくと起債はさらに増えていく。この状況の中で大型工事を進めていくのか」と追及した。
これに対し当局は、「公債費負担比率は、公債費に充てられる一般財源の額が地方債の元利償還金にどれだけ充てられるかという弾力性を示すものだが、今後は市の借り入れが増えることで確かに公債費負担比率は増加する」との見通しを示した。一方で「今のところ公共施設の整備で増える見込みはあるが、起債でより有利な条件の借り入れなどをして、将来負担、実質公債費比率を抑制していくよう努力していきたい」と答弁し、理解を求めた。
起債については上地廣敏氏も質問し、「市民が一番気をもんでいるのは借金が多いのではないかということだ。今の市の台所事情はこういった状況にあるということを正確に知らせるように」と述べ、市民への積極的な情報開示を当局に要望した。その上で「市の財政は今後10年間大丈夫と胸を張って言えるような財政運営を」と注文を付けた。
委員会ではこのほか、複数の委員が歳入、歳出の決算内容について質問し、当局の考えをただした。
16年度決算の認定は同日採決の予定だったが、書類の一部に修正箇所が生じたため、後日あらためて採決を取ることを決した。