炉の耐火物が落下/新ごみ焼却施設
4カ月間、1基で対応/781㌧の未処理ごみ残る
昨年4月に本格稼働となった宮古島市の新ごみ焼却施設が昨年末に2基ある焼却炉のうち、1基の内部壁面の耐火物が落下する問題が発生。今年4月12日までの約4カ月間は1基のみで対応していたことが12日までに分かった。この間に処理できなかったごみの量は781㌧となり、市ではその処理費用として約600万円を市議会9月定例会に補正予算で計上している。本格稼働から9カ月目にしての問題発生に同日行われた市議会文教社会委員会の委員からは疑問と不満の声が出た。
市の説明によると、昨年12月27日に2基ある焼却炉のうち1基の焼却炉で耐火物が落下した。
問題発生後、施工業者が原因などについて調査を実施。3月~4月に掛けて修繕作業が行われたがその間は1基での処理作業となっていた。
市の説明によると、この修繕費用については施行業者側の瑕疵(かし)担保負担で対応したという。
しかし、トラブル発生後、処理できなかったごみが残存し続け、通常稼働では今後も残ったごみを処理することは困難との判断となった。
今回の補正については、通常日曜日は炉を動かしていないが月までの日曜日にも炉を動かして焼却作業を実施し、残ったごみをすべて処理するための費用に充てるとしている。
市の説明を受けた市議からは「なぜ、この問題がマスコミで報道されなかったのか」「新しい施設でこのようなことが起きることがおかしい」「二度と無いようにしてほしい」などの意見と要望が出た。
市生活環境部の下地信男部長は「特に年末年始が控えているのでごみの量が増えるし、そのほかにもハプニングが発生した場合、対処できなくなるとの判断からの予算処置となった」と説明した。
市によると、修繕期間については、耐火物が剥がれ落ちた炉の修繕を終えると、もう一つの炉についても同一の問題が発生しないよう修繕作業を実施。その影響で修繕期間中も1基での対応となっていた。
同施設は、1日16時間の准連続運転のストーカ方式で、焼却炉2基を設置。最新の技術で公害防止と環境保全を最優先した施設としている。
建物は、地下1階、地上5階で、建築面積は焼却棟が2520平方㍍、管理棟が583平方㍍。1日63㌧の処理能力を持つ。建設費は約32億6000万円。