キビに被害甚大/台風18号
株出しに折損多く/葉の裂傷は全域で確認
非常に強い台風18号の直撃を受け、宮古島市と多良間村のサトウキビに大きな被害が出る見通しだ。県や市、JA、製糖工場は14日午後、宮古各地で被害調査を実施し、ほぼ全域で葉の裂傷及び株出しの折損を確認した。基幹作物の被害拡大が懸念される。オクラでも被害が出ている。被害額は15日に公表される。
台風は13日に接近。宮古島地方を暴風域に巻き込みながら北西へ進んだ。猛烈な風は各地のサトウキビをなぎ倒し、主に株出しの梢頭部を吹き飛ばした。
市など関係団体の職員は14日午後1時から被害調査を実施した。複数班に分かれてサトウキビなど農産物の被害状況を調べた。
各地のサトウキビは一面横倒しの状態に。葉の裂傷は全域で確認された。豪雨で冠水し、新植夏植えのキビが完全に水に浸かっている畑も一部で見られた。
折損系の被害は株出しで多い。主に海岸線にある圃場のサトウキビの梢頭部が折れている。茎の根元や中間部分から折れているケースもあったという。
県、市など関係団体は15日にも農産物の被害額を発表するが、大きな数字になることが予想される。
調査員の一人は「サトウキビの状況は良くない。折損系はそう多くないと見ていたが、ひどかった」と肩を落とした。「被害額は大きくなる」と見通した。
市の担当課も「葉の裂傷や折損が確認された。想定以上に被害額は大きくなることが見込まれる」と同様の見解を示す。「干ばつに次ぐ被害になる。今後の生産量に与える影響が最も心配される」と話した。
サトウキビのほか露地栽培のオクラでも被害が発生した。園芸用ハウスの損壊なども一部で見られる。