「高率補助の継続必要」/県議会9月定例会
振興特別措置で県当局
【那覇支社】県議会9月定例会で29日、宮古島市区選出の座喜味一幸氏(沖縄・自民党)が一般質問で登壇し、沖縄振興特別措置における高率補助の必要性や尖閣諸島問題、台風18号の被害状況などについて質問した。高率補助に関し、県は「継続が必要」との見解を示した。
座喜味氏は「高率補助なしで農業基盤整備は進められるのか。道路整備や空港などの整備事業には、どんな問題が生じるか」と述べ、県の姿勢を質した。
これに対し、島尻勝広農林水産部長は「高率補助制度による振興施策の展開により、農業基盤の格差是正が図られてきた。農業基盤整備事業の特殊性を踏まえ、高率補助制度の継続は必要だ」との答弁した。
また、宮城理土木建築部長も「本県特有の社会資本整備の課題は、多く残されいる。高率補助がないと、県事業で地方負担分が増えるだけでなく、国直轄事業での地方負担金も増えると予想される」と、高率補助の継続は必要との見解を示した。
尖閣諸島問題について、座喜味氏は「緊迫する先島離島住民の安全保障はないがしろにされている」と訴え、県の見解を求めた。
これに対しては、謝花喜一郎知事公室長が「尖閣諸島周辺海域での中国公船などによる接続水域への入域や領海侵入などで、宮古・八重山の住人に不安を与えていることを重く受け止めている」とした上で、「漁船の安全操業確保に向けた体制の強化や違法操業を行う外国船の取り締まりの徹底について国に要請するなど、尖閣をめぐる問題を重要視しているところだ」と答弁した。
離島の産業廃棄物の処理については、大浜浩志環境部長が「今年度から離島廃棄物処理促進事業を実施している。広域化や市町村の一般廃棄物処理施設で離島からの産業廃棄物を合わせて処理するなど効率的な処理によるコスト削減と適正処理の方策を検討している」と述べた。
台風18号の農作物への被害状況については、謝花知事公室長が「農作物の被害額については、主に宮古島市を中心に21日時点で6億5883万5000円だった」と報告した。