伝統祭祀の継承訴え/西原公民館
「ナナムイ」写真展始まる/比嘉、長崎さんが2人展
平良西原で受け継がれる伝統祭祀「ナナムイ」の写真展が1日、西原公民館で始まった。写真家の比嘉豊光さんと長崎健一さんによる2人展で、西原の神事や祭り行事のモノクロ写真が展示されている。同日はシンポジウムも開かれ、2人と住民がナナムイの継承をテーマに語り合った。写真展は8日まで。
展示されている写真は約260点。ファイリングした比嘉さんの写真を含むと2500枚以上になる。ほとんどがフィルムを使ったモノクロ写真だ。
写真家2人がレンズ越しに見た神事の光景や人々の表情、ミャークヅツで踊る男たちの姿が生き生きと切り撮られている。
写真展には住民ほか多くの市民が訪れた。白と黒で表現された深みのある神秘的な作品を鑑賞し、脈々と受け継がれてきた厳かな伝統祭祀を心に留めた。
写真展について西原出身の長崎さんは「時代が移り変わっていく中で、変わらないものは何か。続けるのが大変なナナムイ行事とどう向き合っていくのか。そういうことを考える機会にしてほしい」と話した。
この日はトーク・シンポジウムもあり、写真家2人が地域住民とナナムイの継承について語り合った。
比嘉さんは「ここに展示された一枚一枚の写真には魂が込められている」と西原のナナムイに寄せる思いを表現した。「これからはどうつないでいくかが重要になると思う」と語った。
長崎さんは「ナナムイは地域の精神的な支柱。おばあが減って続けるのが大変なことだが、この現状とどう向き合っていくのかが問われている」と話し、写真展が継承を考える機会になるよう期待を込めた。
元ナナムインマは「ナナムイをどうするのか。こうして一堂に会して話し合うことに意義がある。続けられるよう頑張ろう」と話してシンポジウムを締めた。