下地島空港 国内外エアライン誘致/三菱地所
19年3月開業目指す
三菱地所(東京都、吉田淳一社長)は11日、下地島空港における旅客ターミナル施設整備事業を着工させた。2019年3月の開業に向けて国内外のエアラインと交渉を進めており、中期的には台北、香港、ソウル、上海からの定期便就航を計画している。国内線は都市圏からLCCの直行便を誘致する。開業初年度の誘客目標は5・5万人。
ターミナル施設は鉄筋コンクリート造の地上1階建て。敷地面積は3万1580平方㍍、建物面積は1万3840平方㍍となる。
エコの取り組みとして板の方向が層ごとに直交するように重ねて接着した大判のパネル「CLT」を屋根の構造材に使う。1棟当たりのCLT使用量としては日本一の施設になる。
「空港から、リゾート、はじまる。」をキーコンセプトに掲げており、自然の光や風を取り込む構造でリゾート感を演出する。
設計は日建設計、施工者は國場組・大米建設特定建設工事共同企業体、CLT工事は山佐木材が行う。
開業後は国際線、国内線の両方を呼び込む。担当者によると、国際線の中期目標として当面は台北と香港をターゲットにする。ソウルと上海にも視野を広げていく。国内路線は成田、関空、中部それぞれからの直行便就航を目指す。
トゥリバーのリゾート開発とリンクさせて相乗効果も狙う。プライベートジェットの受け入れも前提に施設利用の拡大を図る。
安全祈願祭が11日、下地島の建設現場であった。三菱地所や施工業者などから関係者約60人が参加し、工事の安全と事業実施に伴う圏域の発展を祈願した。
三菱地所の谷澤淳一執行役専務は「空港に降りた瞬間から宮古諸島の豊かな自然環境を肌で感じてもらえるような施設にしたい」とコンセプトを強調。「高度な空港施設を生かし、宮古空港とも連携しながら島全体の発展に寄与したい」と意気込みを語った。
宮古島市の長濱政治副市長は「下地島空港の旅客ターミナルを起点に、島がますます発展することを期待している。市の観光振興において大きな力を発揮してくれるものと思う」と着工を喜んだ。その上で「市としては、2次交通など受け入れ態勢の課題解消に努めていきたい」と述べた。