宮古が重点選挙区に/衆院選沖縄4区
当落に大きく影響へ/市議選同時実施で注目
超短期決戦となった衆議院選挙が10日に公示された。宮古島市選挙区が入る沖縄4区は、仲里利信氏(無所属・80)と西銘恒三郎氏(自民・63)との事実上の一騎打ちとなり、その当落は宮古島市における獲得票数が大きく影響するというのが両陣営の見方だ。その理由は市議選と同時に実施されることで、投票率が前回よりも大幅な上昇が見込まれ、保守地盤の宮古で有権者の判断がどうなるかに注目が集まっている。
■ 地盤
3年前の前回衆院選で当選した仲里氏は7万1227票を獲得し、6万5838票の西銘氏に5389票差で勝利した。
一方で仲里氏は、保守地盤の先島地区では苦戦を強いられ、宮古や石垣その他離島でもすべて西銘氏がその票を上回った。
その中でも西銘氏は宮古島市で3497票差をつけており、保守地盤の宮古において、その強さを見せつける結果となった。
■ 投票率
市議選との同時実施となったことで、宮古における今衆院選は確実に投票率が上昇する。
前回衆院選で、宮古島市の投票率は43・83%で県内最低だった。一方で、4年前の前回市議選の投票率は76・60%だったことから今回衆院選については、70%超える投票率の市議選に連動して大幅な上昇が見込まれている。
前回、4区全体で約5400票差で敗れた西銘氏側からすれば、保守地盤の宮古で投票率の大幅アップは有利になるとの判断で、重要地区に位置づけて力を注いでいる。
10日に行われた西銘氏選対本部宮古島支部出陣式で支部長の下地敏彦市長は「沖縄の4選挙区の中で一番当選の可能性があるのがこの4区。当選のためには宮古でしっかり票を集めることが必要」と訴えている。
ある西銘氏支持者は「自民党県連も4区は勝算があると位置づけている。そのためにも投票率の上がる保守地盤の宮古で圧倒的な票差が必要としている」と話した。
■ 動き
こうした背景を受けて、いろいろな動きも生まれている。今月7日に行われた沖縄1区に出馬した宮古島市出身の下地幹郎氏の宮古島総決起大会には、下地市長や棚原芳樹議長のほか、恒三郎氏の兄で元参院議員の西銘順志郎氏が応援に駆け付けて「下地氏を全力で応援する」とあいさつしている。
その下地氏は、2014年の県知事選に出馬した際に宮古島市選挙区では、当選した翁長雄志知事や当時現職だった仲井真弘多氏の獲得票を上回る9275票を獲得している。
そうした下地氏を支持する宮古の保守票を西銘氏側は、前回衆院選では取り付けられなかったが今回はしっかり取り付けて、票の上積みを目指している。
■ 票差
ここ数年の国政選挙における宮古の保革の票差は、約3000票程だったが、昨年7月の参議院選挙では、その差が一気に縮まって1000票となっている。
今年1月の市長選は保革とも分裂選挙となり、革新勢力の獲得票には一部保守票が混在しているが、投票率68・23%で、保革の票差は2900票だった。
こうした支持動向を踏まえ、仲里選挙対策本部「うまんちゅの会」宮古の代表・亀浜玲子県議は「確かに前回衆院選では仲里『4』西銘『6』ぐらいの割合だったと思う。市議選と同時となる今回は、確実に投票率は上がるが、それはこちらにもプラス。安倍政権への不満の声も多い。こちらも底上げを図り五分五分の獲得票を目指す」と話した。
4区の当落に大きな影響を与えそうな宮古島市選挙区は、15日に市議選の告示となり、告示後は保革とも、セット戦術で支持の拡大を図っていく。