デイゴヒメコバチの防除へ/デイゴ枯死
県農水部が市長に協力要請
県農林水産部森林資源研究センターの寺園隆一所長はじめ5人が10日、市役所平良庁舎で、下地敏彦市長に、県花に深刻な被害を与えているデイゴヒメコバチの防除に協力を要請した。
同センターはデイゴヒメコバチの天敵となるデイゴカタビロコバチについての研究成果を説明。デイゴヒメコバチを駆除することはできないものの、半数以上減少させ、デイゴの枯死を防ぐことができると説明し、デイゴカタビロコバチの試験放飼に協力を求めた。
下地市長は「大変に興味深い。ぜひ進めてほしい」と述べた。
同センターは下地島でアンケート調査を実施し、8割以上が導入に賛成したことから、デイゴの「虫こぶ」の成長具合を見ながら、関係機関と調整を進める。今月末ごろから12月前半にかけて、デイゴカタビロコバチの野外放飼試験を開始し、定着できるかを含め、分散の範囲は分散速度などの経過を観察する。また、放飼した場所と、しない場所を比較して効果を見るとしている。
これまでの同センターの研究などによると、天敵デイゴカタビロコバチは沖縄の在来種への影響は極めて少ないことが分かっているという。
米国のハワイ農務局は、デイゴの固有種を守るため、アフリカから導入した、天敵のデイゴカタビロコバチによる防除の実用化に成功した。この情報から、同センターは必要な許可を受け、デイゴカタビロコバチを沖縄に導入し、室内、野外の隔離施設で研究を開始し、現在はこの隔離環境で増殖している。