浦底遺跡の出土品展示/市総合博物館
貝斧や骨製品275点/28日にシンポジウム開催
宮古島市総合博物館(上地等館長)で20日から、浦底遺跡出土資料展が始まった。29日まで。「同遺跡の発掘調査に見る無土器期研究の新展開」と題したシンポジウムが28日に同博物館研修室で開催される予定。出土品展示は、このシンポジウムの関連展示。展示品が出土した浦底遺跡は無土器期最大の遺跡で、展示されている出土品は約275点で、このうち120点が貝斧(シャコ貝製の斧)。同遺跡は、これまでの年代測定から約2500年から1800年前に位置づけられることも分かってきている。
これらの出土品は長く沖縄本島で保管、管理されていたが、2015年3月に市教育委員会に出土品が移管された。
出土品はシャコ貝製の貝斧を主体とし、さまざまな形態の貝・骨製品が出土している。また、生活の痕跡としては集石遺構や貝集積が確認されている。
浦底遺跡からは総数200点以上に上る貝斧が出土しており、世界でも最多の貝斧出土遺跡とみられている。
貝斧に次いで出土点数が多い貝製品はスイジガイを加工した製品で、スイジガイの先端部両側から磨き、葉を浸ける加工が施されている。
また、同遺跡からは多くの石器が出土しており、これらの石器は貝斧を磨くために使われたと考えられている。そのほか、植物をすりつぶすために用いたと考えられる、くぼみ石も展示されている。
浦底遺跡は1988~89年にかけて、浦底漁港にいたる道路整備工事に伴って発掘調査が行われた。この発掘調査でシャコ貝製の貝斧が200本以上出土した。展示されている貝斧も年代により形態的な変化の傾向がみられる。
今回の展示は、報告書をまとめる作業を進めるなかで、広く市民に公開し、宮古島の無土器期の人たちの文化様相などを見て、考えてほしいとなどの目的も含まれている。