市職員が公金持ち出し「紛失」/宮古島市
市民納付の保険税55万円
宮古島市国民健康保険課の男性職員(36)が、市民が納付した保険税約55万円の公金を、金融機関に支払わずに外部に持ち出し、その後「車の中に置いてあったが盗まれた」と上司に報告していたことが21日までに分かった。
男性職員は10月上旬、宮古島署に紛失届を提出し、市に同額を弁償したという。下地敏彦市長は本紙の取材に「公金に対する認識が弱い。再発防止に努める」と述べ、市職員懲戒分限審査委員会(委員長・長濱政治副市長)を設置し、事実関係を確認するよう指示を出したという。
同課によると、同職員は今年8月11日に市民から1年分の保険税の一括納付を同課窓口で対応し保険税を受け取った。「その後、保険税を自分の机の引き出しの中にしまい、業務を続けた。気付いたら銀行の業務時間外でもあり、自分の机に鍵が無かったため、不安になりバッグに保険税を入れて持ち帰った。保険税の入ったバッグは友人宅に止めた自家用車内に置いてあったが、翌日戻ると盗まれていた」と話しているという。
同課では、市民が納付した保険税は庁舎1階にある銀行に支払うことになっている。また、銀行の業務が終了した午後4時以降は夜間金庫に投入することになっている。
9月27日に一括納付をした市民の自宅に、保険税未納の督促状が届いたことから、この市民が領収書を持参し同課を訪れたことから発覚した。
同職員は上司と相談し、10月6日に警察に紛失届を提出、同7日に紛失したとされる保険税の全額を市に支払ったという。
同課の下地昭雄課長は「どういう理由であれ、公金を持ち出したということが問題。自分で考え込まないで上司に相談すべきだった。市民には申し訳が立たない。こういうことが二度と起こらないよう職員との連携を図っていきたい」と話した。
下地市長は「公金管理はきちんとしなければいけない。分限委の設置を指示してあり、その中で職員の責任については対処していく」と述べた。