分析力高め予算編成を/市財政課
来年度方針で説明会
市財政課は25日、下地農村環境改善センターで来年度の予算編成方針を市職員に説明した。普通交付税の減額により、一般財源の確保が厳しい状況が見込まれる中、行政サービスの水準を確保し、最小の経費で最大の効果が得られるよう呼び掛けた。宮国高宣総務部長は、総合庁舎建設計画など、将来の大型プロジェクトを示し「予算には限りがある。市民に対してどのようなサービスができるか真剣に考えてほしい」と述べ、職員一人一人が危機的な財政状況の到来を想定しながら、分析能力と知恵を出し合って取り組むことを訴えた。
歳入の約30%を占める普通交付税が2016年度から段階的な減額算定が行われており、市によると来年度には加算額の50%が減額になる。
また、生活困窮者の最低限の生活維持を図る目的で支出される社会保障費制度の一環「扶助費」が、少子高齢化の影響もあって引き続き増加することや、公共事業の増加による市債発行の影響により、長期債の元利償還金による増加が見込まれている。
さらには、2020年度までとなった合併特例債の期間に▽リサイクルプラザ▽未来創造センター▽伊良部小中一貫校▽総合庁舎-の予算措置も求められている。
財政課はこういった中、「第2次行財政改革大綱」に基づく取り組みを積極的に進め、将来においても財政の健全化を維持し、持続可能な行財政基盤を構築していくことが重要であると説明。各事業における効果検証を確実に行い、施設の重点化や事務事業の選択と集中を進めることを求めた。
予算編成の基本的事項として▽通年予算として編成し、安易に補正予算要求を見込まない▽人件費や公債費以外の予算要求については節減に努めること▽課全体の前年度一般財源措置額を下回ることを基本にすること▽費用対効果の検証を十分に行うこと▽各部、各課で事業の必要性や緊急性、優先度の議論をし、選択と集中を行うこと-などを要求した。
冒頭、あいさつした宮国総務部長は、委託料や旅費、備品購入費などの物件費が10年間で約10億円伸びていることを指摘し、各部署に再点検を呼び掛け。また予算要求に当たっては「業者が出してきた見積もりをそのまま上げるのではなく、自ら精査をしてほしい」と述べた。
来年度予算案は年内にヒアリングや査定などを実施し、来年1月12日に1次内示、その後、復活要求などを経て1月30日に最終内示される予定。