旧西中製糖場跡など指定へ/市指定文化財
保護審への諮問議案可決/市教育委員会定例会
史跡「旧西中共同製糖場跡」と有形文化財(建造物)にやつ墓(ニャーツ墓)1基の市指定文化財指定に向けて市教育委員会は26日の定例会で、市文化財保護審議会に諮問することを確認した。指定が認められれば市の指定文化財は現在の117件から2件増えて119件となる。市教委では、来月にも同審議会に2件について諮問し、できるだけ早く答申を得たいとしている。
「旧西中共同製糖場跡」の文化財指定については、国登録有形文化財・旧西中共同製糖場煙突も含んでいる。
現在は老朽化が進み、今回の指定を受けて市教委側は修復保全に向けて、取り組みたいとしている。
同製糖場の建設にあたっては、西中部落、西西部落の農家百数名で組合を結成し、厳しい環境下で作業を進めた。
特にボイラー運搬は、かなりの重量だったことから特注の荷馬車を造り、馬2頭を交代しながら引かせたとしている。
1960年ごろには、損傷の激しい古煙突撤去の動きもあったが、工場設立に尽力した当時の中村清一郎城辺村長の業績を記念して末永く保存することとなり、現在に至っている、
下地字洲鎌の「にやつ墓」については、みゃーか墓の形式で縦7・6㍍、横10・6㍍、高さ2・2㍍にわたり巨石が積み上げられ、正面入り口は石造のアーチ型の構造。その石積みの技術は精巧を極めているとしている。
この墓は現在も一族により使用されており、石積みの一部が倒壊するなど著しい劣化が見られることから、文化財に指定して保護を図ることが望ましいとしている。
現在は、一括交付金を活用した修復工事が8月から進められている。