人手不足への対策急務/公庫経済懇談会
確保へ外国人も視野/課題解決へ意見や提言
沖縄振興開発金融公庫(川上好久理事長)と宮古経済界代表や行政トップらが意見交換する2017沖縄公庫・宮古経済ワイドー懇談会(主催・沖縄公庫)が27日、市内ホテルで開かれた。出席者は、入域観光客数が過去最高と好調に推移していることや、民間工事も大型ホテルなどを中心に建設需要が増えているとした反面、人手不足が深刻な問題になっていると指摘。課題解決へ向け、専門的な技術や技能を有する外国人の確保も視野に、官民連携で取り組む必要性を強調した。
宮古地域における産業や経済動向および公庫に対するニーズを把握することが目的。地域の人たちと相互理解を深め、宮古地域の一層の経済発展に寄与することを狙いとしている。
懇談会で、下地隆之氏(まるちく社長)は、クルーズ船の寄港増加でタクシーが不足している現状を挙げ「ビジネスチャンスだが、これ以上、状況を悪化させないためにも乗務員を増やしていきたい」と話した。
人手不足解消に向けては、台湾のタクシー協会と協定を結んで乗務員を派遣できないか県が模索していることも紹介した。
友利博明氏(先嶋建設常務)は、島外から働き手を見つけてきても宿泊先の確保が課題と述べ、「空き家のリフォームなどを公庫が融資すれば改善できるのではないか」と提言した。
佐久川直仁氏(環境クリーン開発社長)は、伊良部大橋効果で、島内の飲食店がにぎわいを見せている状況を挙げ「人手不足の要因は、給与水準の低さにもある」と改善を求めた。
大浦貞治氏(市伊良部商工会会長)も「人材不足で外国人を派遣することもあるが、本土との賃金の格差を是正しなければ解決しない」と述べた。
砂川和江氏(アイワ家具代表)は、中小企業家同友会宮古支部長の立場から「人材育成が企業発展の鍵を握っている」と強調した。
上地登氏(大嶺ファーム社長)は、宮古の土壌など農業に適した環境を挙げ「地元の人がもっと豊かになるよう、農業ディズニーランドを造るのが夢」と語った。
平安秀昭氏(ピースアイランド宮古島社長)は、入島税や環境税などを導入し福祉団体や子供たちの遠征費に利用することや、海の素晴らしさをもっと観光に生かしていくことなどを提案した。
出席者の意見や提言を聞いた川上理事長は、「宮古島という地域の議論が印象深かった。若い人たちが安心して住める地域は持続的発展につながる。工夫や知恵を出し合って宮古地域の発展に貢献していきたい」と話した。
経済界や行政からはそのほか、稲福具実氏(県宮古事務所長)、下地義治氏(宮古島商工会議所会頭)、友利克氏(市企画政策部長)が出席し、それぞれの立場から意見を述べた。
沖縄公庫からは、川上理事長ほか、喜納兼次郎理事、普久原朝隆企画調査部長、安里高志宮古支店長、新垣尚之企画調査部業務企画課長がそれぞれ出席した。