「無土器期研究」でシンポ/浦底遺跡
発掘調査成果を市民に周知
シンポジウム「浦底遺跡の発掘調査にみる無土器期研究の新展開」(主催・市教育委員会生涯学習振興課)が28日、市総合博物館で行われた。このシンポジウムは世界的にも特徴的な文化要素を持つ、浦底遺跡の発掘調査成果について広く市民に周知するため、2017年度地域の特色ある埋蔵文化財公開活用事業の一環として行われた。
シンポジウムでは生涯学習振興課の久貝弥嗣さんが「浦底遺跡で検出される遺構としては、集石遺構、貝集石、埋葬人骨が確認されている」と概要を述べ、「貝集石は食料残滓(ざんし)と考えられる貝を、一定の範囲に廃棄した跡、あるいは貝をストックしていた跡と考えられる」と説明した。
出土品は貝、骨製品や石器で、貝製品はシャコガイ製の貝斧の出土点数が多かった。
久貝さんは「浦底遺跡の発掘調査成果は、アラフ遺跡など同時期の遺跡間との比較、年代の異なる無土器期遺跡との比較を行う上でも、重要な意味を持つと考えられる」とした。
琉球大学戦略的研究プロジェクトセンターの山極海嗣特命助教が「海と島の世界へ進出し貝斧を利用した人々」と題し講演、江上幹幸元沖縄国際大学教授が「集石遺構の用途と文化」と題して、当時の生活の様相などについて話した。
石垣市教育委員会の島袋綾野さんが「八重山諸島の無土器期-地理的県境にみる石器の利用を中心として」と題し、講演した。