宮古病院 診療費未収2億5000万円
前年下回るも依然、膨大/対策強化月間ちなみ発表
宮古病院(本永英治院長)の2017年9月末時点での診療費個人負担分の未収金額は2億5952万7741円に上り、前年同期比で696万754円(2・6%)減少したものの依然、膨大な未収金が残る現状となっている。沖縄の県立病院では11月を診療費個人負担分未収金対策強化月間と位置付けていることにちなみ、本永院長らが31日に病院で会見を開き、未収金の現状などを発表した。
未収金の内訳を未収の理由別に見ると、最も多いのは経済的理由で支払い約束が不履行となっているケースで8593万7340円(32・7%)、次いで経済的理由で診療費を分割納付している人の未納分が8549万5650円(32・6%)、交通事故などによる自賠責委任申請中が714万6668円(2・7%)、社会福祉制度申請中が211万3930円(0・8%)、その他が8183万9101円(31・2%)。
未収金が発生する要因は、生活困窮で支払い能力がない、健康保険料未納に伴う自己負担分の増加、支払い能力がある人による支払い約束の不履行など。
対策としては、支払い約束不履行者への文書督促、高額未納者への電話、訪問督促、悪質未納者への法的措置などを実施。今年度からは法律事務所へ悪質未納者の債権回収を委託し回収率向上に取り組んでいる。
会見で本永院長は、宮古病院は原則、独立採算性で患者からの診察料を元に経営を行っているため、未収金が増加すれば病院経営が圧迫され、医療サービスが低下する恐れがあることを強調。「危機感を持って対処する必要がある」との考えを示した上で、市民に対し未収金の縮減、解消に理解と協力を呼び掛けた。
引き続き担当職員が未収金の現状などについて説明。高額未納者は100万円以上が30人、50万円以上100万円未満が54人いることや、支払い約束不履行者の約8割が悪質未納者であることなどを紹介した。