口利き「可能性高い」/県教員採用試験
前副知事疑惑で第三者委員会
【那覇支社】県の教員採用試験で安慶田光男前副知事が口利きを行ったなどの疑いがあることについて、県の第三者委員会(池田修委員長)は31日、翁長雄志知事に対して報告書を提出した。報告書は、前副知事による口利きについて「存在した可能性が高い」と結論付けたほか、知事や副知事などの特別職も県職員倫理規程の対象とすることなどを柱とする対策も提言した。
安慶田前副知事をめぐっては、2015年に実施された教員採用試験で特定の受験者を合格させるよう関係者に依頼したほか、教育庁の人事にも介入したとの疑いがある。県教育委員会は今年1月、試験結果や人事に影響はなかったとした上で口利きなどの疑惑そのものは認める判断を下している。県議会では百条委員会の設置を求める声もあったが、県は第三者委員会での調査を進めてきた。
池田委員長によると、第三者委員会は前副知事や諸見里明前教育長、平敷昭人現教育長など人以上に直接の聞き取り調査や文書での回答を求めたという。その結果、採用試験への口利きについては「存在した可能性が高い」とした。
教育庁人事への介入については、前副知事も同庁幹部へ特定の人物を推薦する意見を述べたことは認めているとした上で、「不当な関与があった」と結論付けた。
その上で▽県職員倫理規程の対象に知事や副知事などの特別職も含める▽違法不当な働きかけを抑制するため、依頼された内容を記録する制度を作る-などの対応策を提言した。
報告書を受け取った翁長知事は、「このような疑いが二度と起こることがないようにしっかりと対策を講じていきたい」と語った。
このほか、報告書の提出後に池田委員長が行った会見では、記者から「委員長が前副知事と同じ宮古出身ということで前教育長などが不信感を持ったと聞いている。もう少し配慮があっても良かったのではないか」との質問も出た。これに対しては、県の担当者が「人選については、弁護士会に推薦を依頼するなどした。バランスの取れた人選だったと自負している」と答えた。