TPP対策や予算措置要請/県農業代表者大会「宣言」採択
【那覇支社】2017年度産さとうきび価格・政策の確立に向けた「県農業代表者大会」(主催・県さとうきび対策本部)が1日、南風原町立中央公民館で行われ、TPP(環太平洋経済連携協定)、日EU・EPA(日本欧州連合経済連携協定)などの影響を最小限に食い止める万全な国内対策を政府・与党に強く求める大会宣言を採択した。
主催者あいさつで、同対策本部長の砂川博紀JA沖縄中央会長は「昨年、TPP関連対策として国会決議された、加糖調整品を調整金収入の対象とする糖価調整制度の見直しを、速やかに実施するよう先頭に立って政府・与党に対し強く求めていく」と述べた。
JAおきなわの大城勉理事長は「TPPや日EU・EPAなど国際貿易協定の発効による影響と、関連対策への施策の効果は依然不透明であり、沖縄の実情に即した、きめの細かい生産振興対策が必要」と訴えた。
離島地区の生産者代表で、多良間地区さとうきび生産組合の高江洲明夫組合長が「サトウキビは宮古の宝。本年度の要請事項の実現を目指し、今後も生産農家が安心して栽培を継続できるよう、皆さんと共に頑張りたい」と決意表明した。
大会では、▽TPPや日EU・EPAなどに対応した国内関連対策の確立▽糖価調整制度の堅持と財源確保▽甘味資源作物交付金水準の確保▽増産基金の継続、増産対策予算の確保▽生産振興総合対策の拡充▽分蜜糖・含蜜糖工場の経営安定対策ーなど、7項目の要請決議を満場一致で採択した。
来賓の翁長雄志知事(代読・島尻勝広農林水産部長)は「生産者が安心して生産に取り組めるよう、国に対してTPPや日EU・EPA関連対策や糖価調整制度の堅持、再生産が可能な手取り額の確保など、JAや関係機関と一体となって強く要請していく」と強調。
大会には県内各地の生産農家や農業機関の関係者ら約500人が集結。宮古6地区の生産組合やJA各支店の代表者30人も参加した。
JA宮古地区本部の下地保造本部長は「県内生産量の約半分を占めるサトウキビは、宮古の経済を支える重要な基幹産業。これからもしっかり守り育てるためにも、みんなで力を合わせて頑張りたいと決意を新たにした」と話した。