荷川取さん農林水産大臣賞/県畜産共進会
宮古から16年ぶり快挙/ほか2頭も優秀賞3席
【那覇支社】県内各地区から選抜された和牛の品質を競う第43回県畜産共進会(主催・同協議会)の種畜部門(肉用牛・乳用牛)が3日、糸満市の南部家畜市場で開催され、宮古島市の荷川取衛さん=城辺西里添=が所有する若雌第1類の「ともこ」号が優秀賞1席に入り、宮古から16年ぶりの農林水産大臣賞に輝いた。
今回の共進会では、宮古地区から種畜部門には肉用牛6頭が参加。農林水産大臣賞の「ともこ」号以外でも、若雌第1類で農業生産法人「大海」(上地良淳代表)=上野宮国=の「たいかいみさ」号、成雌第1類では砂川健治さん=下地入江=の「さとみ」号が、それぞれ優秀賞3席に選ばれた。
荷川取さんは畜産経営が約40年となり、現在飼育数は繁殖母牛17頭、子牛7頭。「自分の牛がまさか優勝するとは思わなかった。2回目の挑戦で1番になれて、うれしい。宮古の畜産関係者の励ましに、心から感謝したい。牛は船を降りても食欲があり、体調も順調だったので良かった」と喜びを語った。
宮古和牛改良組合の砂川栄市組合長は「最高の成績となり、感無量。青年部が高齢者の畜産農家などに、活発に協力してくれた成果でもある。来年以降もさらに腕を磨いて、絶対に団体優勝を取りたい」と話した。
JA宮古地区本部の下地保造本部長は「3頭の入賞牛の結果は、今後の宮古の畜産振興の上で、大いに盛り上がる役割を果たしてくれたと喜んでいる。これを契機に、宮古の牛の良さをさらに県内外に広くアピールしていきたい」と語った。
今回の共進会には、県内14市町村から肉用牛(黒毛和種)40頭、乳用牛(ホルスタイン種)33頭が出品された。屋外の特設会場で若雌牛と成雌牛に分け、審査員が出品牛に直接触れながら、体高や体積、栄養度、体上線(背線)などを厳しくチェックしていた。
同会場での褒賞授与式では、肉用牛・乳用牛各部門の優秀賞1席のほか、農林水産大臣賞や県知事賞、中央畜産会長賞など17の特別賞が贈られた。そのほか、団体優勝の肉用牛部門で糸満市、乳用牛では八重瀬町が表彰された。
開会式で、同協議会長の久貝富一県畜産振興公社理事長は「共進会が農家や畜産業界にとり、さらなる生産意欲を奮い起こし、一層の技術改良に取り組み、あすの畜産振興への糧となるよう切に願う」と話した。
翁長雄志知事(代読・島尻勝広県農林水産部長)は「生産農家には、今後とも畜産改良技術の向上に向けて、自己研さんに精励し、県の畜産振興に尽力してほしい」と述べた。