日々の運動で体型づくり/県畜産共進会大臣賞
荷川取さんと「ともこ」号
畜産業に45年以上携わる荷川取衛さん(83)が、県の畜産共進会で宮古島市に16年ぶりの農林水産大臣賞をもたらした。「夢のようだよ」と照れくさそうに笑いながらも「自信はあったけどね」と話す表情に牛飼いの誇りをにじませた。
2016年6月7日生まれの「ともこ」号。父は宮古島市生まれで県内最高種雄牛と名高い「北福波」、母の父は「平茂勝」という恵まれた血統を持つ。
同年月の子牛共進会に出そうと準備したが、「少し牛が小さい」ことを理由に遠慮した。ところが現場に出向いて他の子牛を見てこう思った。「自分の牛を出せば優秀賞を取れた」。
満を持して出品したのが今年7月開催の地区畜産共進会だった。若雌第1類の部で勝ち抜き、宮古代表牛の座を射止めた。2回目の県共進会への出品だ。
決まってからの2カ月は最低1時間30分の引き運動と2時間立ちっぱなしの運動を続けた。雨の日以外は休まなかった。
ともこ号は期待に応えて発育、体積、体型ともに抜群の牛に仕上がった。
迎えた県の共進会。ともこ号は船酔いもなく、現地でもしっかり餌を食べていた。他地区の出品牛に目をやった荷川取さんは「これはいける」と確信した。
狙い通り、ともこ号は優秀賞1席を獲得。さらに同賞1席4頭の中から選ばれる最高賞・農林水産大臣賞を受賞した。「発育良好で体上線(背線)も真っ直ぐで張りがある。雌牛の品位が他の出品牛と比較しても抜群だった」との高い評価を得た。繁殖能力が高い母牛になる体型を持ち合わせていることが認められた。
荷川取さんは「まさか大臣賞を取れるとは」と最高賞には驚いたが、「牛の仕上がりは良かった」と胸を張る。「指導員や関係団体の協力のおかげ」と周囲のサポートに感謝した。