「盗難」報告も被害届未申告/公金持ち出し問題
副市長「知らなかった」/警察には遺失届
宮古島市国民健康保険課の男性職員(36)が、国保税約55万円を庁舎外に持ち出しその後、車の中から盗まれたとされる問題で、この男性が警察に提出したのは「盗難の被害届」ではなく、遺失物届だったことが22日、分かった。長濱政治副市長は「被害届が出されていて警察が捜査しているものと思っていた」と述べた。市は、男性職員から当時の状況などを詳しく確認した上で、警察に改めて被害届を提出する方針だ。
同課によると男性職員は10月5日、上司と一緒に宮古島署に遺失物届を提出、同7日に「盗まれた」とされる同額の国保税を弁済したという。
長濱副市長は22日、本紙の取材に「(盗まれたと)報告があったときには、部長と課長に警察に届け出るよう指示をした。車の中に置いてあったものがなくなったのであれば、誰でも盗まれたと判断する。もう一度、本人に確認して、本当に盗まれたのであれば改めて被害届を出さないといけない」との考えを示した。
遺失物届だと紛失したと見られ、通常は捜査の対象にはならない。
同課の下地昭雄課長は「本人がなぜ遺失物届を出したかは分からない」と話した。同課長によると、盗まれたとされる国保税55万円のほかにも、男性職員の車の修理代金も無くなっていたという。
市では、今月30日予定の市職員懲戒分限審査委員会(委員長・長濱副市長)で、男性職員から事実関係を確認した後、被害届を提出する方針。