歴史感じて島一周/第20回多良間マラソン
強風の中334人が完走/最長は仲間V、女子は塚本5連覇
【多良間】たらま島一周マラソン大会(主催・同村、共催・同村体育協会)は11日、同村役場を発着点とする島内全域をコースに行われた。最長24・3㌔を含む四つのコースに、島内外から参加したランナーが自然や歴史を感じながら思い思いのペースでゴール目指した。Aコースは仲間正彦(33)=宮古島市=が1時間33分17秒のタイムで、4年ぶり2度目の優勝。女子は塚本恭子(41)=多良間村=が1時間53分22秒で5連覇を達成した。沿道には、大勢の村民がボランティアとして参加。飲み物を手渡したり、声援を送ったりして選手たちを後押しした。大会には380人が申し込み、うち342人が出場。334人が完走した。完走率は98%。
「楽しく走ろう歴史が見える島多良間島」をテーマに、正午にAコースがスタート。その後、B(10㌔)、C(3㌔)、D(5㌔)の各コースがピストルを合図にそれぞれスタートした。
この日の多良間島は曇り空で小雨模様。約8㍍の風が吹くあいにくの天気だったが、ランナーたちは自己記録を目指して力走したり、仲間と一緒にマイペースで走ったりと、それぞれの目標でマラソンを楽しんでいた。
多良間中3年生28人は5㌔に挑戦。このマラソン大会は、来年3月の高校入試への全員合格を祈願する恒例のイベントとなっているという。
下地明奈さんは、沖縄本島の豊見城高校を受験する予定だ。「リタイアは許されない。絶対完走」と笑顔だった。
島外からの参加者も年々増え、今年は過去最多。内訳は▽宮古108人▽沖縄本島39人▽本土47人-の計194人が申し込んだ。
北海道出身で宮古に単身赴任中の平緒正壽さん(55)は、多良間に観光に来たとき同郷出身に出会い参加を勧められたという。「景色を楽しみながら健康増進を兼ねて走りたい」と話した。
開会式で伊良皆光夫村長は「ようこそ、日本で一番美しい村へ」と歓迎し「自分自身への挑戦と新しい出会いを楽しんでほしい」と激励した。ゴールしたランナーにはヤギそばや牛そば、ぜんざい、天ぷらなどの手作りの料理が振る舞われた。
関係者によると、マラソンよりも多良間でしか味わえないヤギ料理を楽しみに参加する人も多いという。
大会終了後は、多良間小体育館で「ふれあいパーティー」が行われ、ランナーやボランティアが交流を深めた。