陸自駐屯地、20日着工式/沖縄防衛局
造成工事に着手へ/住民反発、前日には説明会
宮古島市への陸上自衛隊配備計画で、沖縄防衛局は20日に旧千代田カントリークラブで駐屯地の建設工事の「着工式」を実施し、造成工事に着手する。16日、本紙の電話取材に回答した。沖縄防衛局は前日の19日に、地元住民を対象にした「説明会」を開く予定で、反対住民や市民団体などから「説明会の開催は意味がない」などと反発の声が上がっている。
宮古島への部隊配備に伴う旧千代田カントリークラブで計画している新駐屯地建設工事は、10月30日から現場の仮囲いや工事の落水流出防止対策のための土のう設置などの準備工事を進めている。
防衛省によると敷地の造成工事は、土のう設置などが完了次第、着手する予定で「作業が順調に進めば20日以降を着手可能と考えている」と話した。
下地敏彦市長は出張先の那覇市で取材に応じ、15日に防衛省から「地鎮祭」への出席を促されたが断ったことを明らかにした。
下地市長は「まだ、市に関連する法律上の手続きがないので、これがきちんと終わった時点でやれば良い。何もない段階で出席する必要はないと判断している」と述べた。
19日予定の説明会については「千代田と野原の住民には、きちんとした説明をしてほしいと要望していた。それを受けて開催するので、約束通りということだと思う」と話した。
一方、宮古への陸自配備計画に反対する市民団体などが反発を強めるのは必至。これまでにも旧千代田カントリークラブで抗議行動を展開したほか、下地市長に沖縄防衛局へ工事の中止を求める要請を行っている。
野原に住む男性は「工事は先月からすでに始まっている。防衛局に抗議の電話を入れたが事前工事と言われた。私たちは、それは本工事だと捉えている。完全に地域住民の意思とは関係なく進められている」と指摘した。
着工式の前日に開催される説明会については「住民からの質疑は受けないということを聞いている。とんでもないことで、人権無視だ」と話した。